YouTubeやAmazonで一つのテーマや商品を検索すると検索に対する反応とは別に、すぐにそれに関連した情報がお勧めとして表示されたり送られてきたりする。
この判断はAIがやってるのだろうか?
AIがやってるとすれば、わたしはいつも『AIってバカだなあ』と思っていた。
検索したからといって好きだとは限らないし、興味があったとしても一瞬の興味という場合だってあるはずなのに、わたしの検索の仕方からそこまでは気付いていないくせに、『お前これが好きなんだろう』とお勧めしてくる様子にドヤ顔を感じるたびに『AI、お前バカだろう?』と感じていた。
しかしながら、Amazonはこのお勧め(レコメンド機能)が売上の3割近くを占めてるらしいのだ。
この話はコロナが流行る前に聞いた話で、最近はどのように変化してるのかは分からないが、このような話を聞くとわたしの方がマイナーな存在なのかなとも感じる。
欲しくて探してるものを検索してる時に、知らなかった事や物をお勧めされると確かにありがたい場合もあるだろうが、その結果『お勧め』を当てにするようになるということに対してわたしは本末転倒な印象を受ける。
お勧めに従うことに躊躇しないことを、危機管理の観点から強調すると次のようになるのだろうか。
人は何かの情報が入ってきたときに、それが真実かどうかを自分だけで判断できない場合には、周囲にいる人がそれを信じるているかどうかをみて、真実かの判断を下したりします。
AmazonやYouTubeのお勧めは、まさに相談相手からのお勧めとして機能してるのかもしれないが、それは典型的なエコーチェンバー現象でもあるのだ。
そのことを充分に意識して判断するという作業は省いてはいけないプロセスだと感じられる。
なぜそう感じるのかというと、現代人は消費者としてのみの立場で生きてる人が少数派だからだ。
消費者としてのみの立場で生きてる人ならば、自分が納得できるものをどのように選ぼうがなんらマイナスはない。
しかし、多くの人はなんらかのビジネスに携わったり、コンテンツを含めたなんらかの生産を能動的に行っていて、そこでは一定のレベルでなんらかの成果を得たいと考えているだろうから、世間の消費側にいる方の心理には敏感であった方が賢明だと思えるからだ。
世の中には実に多種多様なものが流通してるが、どんな分野でも売れてヒットするものはごく一部で、大多数はその他多数のコモディティ扱いされてしまう。
消費者目線で言うと『なんか足りないんだよな、こだわりが足りないのかな』なんて勝手なことを言われるが、今時の商品で生産者がこだわりを持ってないものなんてほとんどないはずだ、あるとすればそれこそ詐欺商品くらいだろう。
こだわりを持って作られた良いものが溢れてコモディティ化してるのが現代のややこしい課題なのだ。
コモディティ化から抜け出すために活用されてるのが、エコーチェンバー現象やレコメンド機能ではないだろうか?
他にはランキングや星の数などもあるが、これも広い意味でのレコメンド機能だが、最近ではランキングや星は金で買えるものであることが明るみに出てるが、多くの消費者にとってはそもそもどれを選んでも大した違いはないのでどうでも良いことかもしれない。
検索で上位を得るためのテクニックがSEOと呼ばれるが、このSEOは度重なるGoogleのアップデートで大きな変動が起きていて、最近ではGoogleに直接お金を払わないと検索上位を得られないと言われてる。
『こだわり』がコモディティ化したことが現代の大きな特徴だとすると、『こだわり』にこだわることは賢くない。
さてどうするか?
それが問われてる!