自分の意に沿わない意見や考えに即座に反発するトランプ大統領やその支持者の言動を見てると脊髄反射が感じられる。
脊髄反射は、脳での思考をショートカットしての反応なので、本能的で危険や不快に対して起こりやすい。
何気ない日常生活に脊髄反射が多くなると、周りの人とのトラブルが増えたり、ガマンが強いられたりして、生き辛さが出てくるはず。
以下の話は音に焦点を当てた話。
生活の中にある音が環境音であり自然音。
音には心地良い音と不快な音がある。
というよりも、
その時々の気分や心理状態で同じ音でも快不快が変化してるように感じる。
気分や心理状態が優れない時には、普段心地良く感じる音に鈍感になり、普段不快に感じる音に過敏に反応するように感じる。
コロナ禍で広まったテレワークで、背景にある音がいつもと変化したことで、音の変化が気分や心理状態に影響を与えていると感じることも増えているらしいと聞く。
つまり、気分や心理状態と音の関係は相互に影響し合っていて、どちらかが先だったり後だったりで起きているのではなさそうだ。
ところで、世間には音に起因するトラブルが多い、つまり不快な音が多いのだ。
不快な音に悩まされる人のことをミソフォニアと呼ぶことばまである。
Wikipediaにはミソフォニアの治療法に関して興味深いことが書いてある。
最も広く適用される治療方法は患者の周りの環境に雑音を加える療法である。増加した雑音により反応を引き起こす音を聴くのが少なくなり、したがって反応も少なくなる人が多い。
ミソフォニアの人が悩まされる不快な音は、日常にごく普通に存在するので避けることが簡単ではないし、そもそも避けることは賢明な策ではなさそうだ。
しかしながら、そのことを知らなければ避けたいと思うだろう。
そのような場合ミソフォニアの人はどのように対処してるのだろうかと考えた時にイヤホンの存在が浮かんだ。
常にイヤホンを付けてる人が増えたのはスマホが普及したからだと思っていたが、それだけではないのかもしれない。
何を聞いてるかはさまざまだろうが、聞きたいものを聞いてるというよりも、聞きたくない音を遮断するという目的でイヤホンを使ってる人が思ってる以上に多いかもしれないと思えてくる。
聞いてるのが好きな音楽だとすると、表面的には音楽に対する思いしか感じ取れず、真の理由である不快な音の遮断が目的だとは気付かれないだろう。
GoogleTrendsで見ると、検索上ではイヤホンへの関心は2004年以降ずっと上昇している。
イヤホンを選ぶ際のキーワードは高音質。
その高音質に有効なのがノイズキャンセリング機能。
音楽を楽しむために周囲の雑音を低減させるのがノイズキャンセリング機能だが、これこそミソフォニアの方が求める機能でもあるだろう。
このように思い始めると、イヤホンを使ってる方が音楽を楽しんでるというよりも、むしろ不快な音に悩まされてる人に見えてくる。
ノイズキャンセリングで不快な音を避けてるミソフォニアの方にとって、イヤホンが憚られる状況で不快な音に遭遇した場合は地獄だろう。
そのような場合どうするか?
怒りをコントロールするためのアンガーマネジメントの一つに、自分で自分を観察するということがある。
観察という視点が加わると、脊髄反射が脳をショートカットしなさそうだと感じられる。
『あっ、今脊髄反射しそうになったぞ』と観察できると、避けるのではなく向かい合っても対処できそうに感じられる。
この繰り返しが訓練になりそうだ。