営業だけでなくナンパのプロセスとしてよく言われるのが、
- アプローチ
- プレゼンテーション
- クロージング
- 成約(契約)
営業パーソン同士が話をすると『クロージングが苦手なんだよね』という話になることが多いが、まあ一般的には契約が思ったように取れないことの言い訳だし、ナンパの場合だとお茶とか食事まではいけるんだけどその先がねという意味で用いられる。
この言い訳は実は巧妙で、契約は取れないけど俺はちゃんとやっているという言い訳も兼ねている。
ナンパの場合だと、『俺はそこそこ行けてると思うんだけど最後の押しがイマイチなんだよな』という意味で使ったりする。
失敗の原因を自己分析したり自己評価する場合、最後の最後でつまずいたと思うのは大抵の場合は、自分に甘い評価をするからであり、自己評価の難しさでもある。
失敗はクロージングにあると思い込むことで、その手前のアプローチやプレゼンテーションは合格してることにしてしまいがちだ。
こうして、クロージングの心構えやテクニックを追い求めることになる。
或いは、クロージングが上手くいかないのは相手の事情だからしょうがないと自分を慰めることも増えてくる。
結論的にいうと、クロージングの失敗だと思われてることの多くは実はアプローチの失敗なのだ。
『No』が言えない日本人は、これ以上はヤバイと思ってからじゃないとなかなかNoと言わないからアプローチやプレゼンを通り過ぎたように感じるが、はっきりNoと言える人ならば最初からNoと言われてるケースが隠れてしまってるのだ。
日本以外の国ではどうなのか分からないが、おもしろい調査結果の話を読んだ。
量販店が増える中で、小規模でも繁盛してる店がある。
あなたはなぜそのお店を選んだのですか?、という質問に対面での聞き取りを行なった結果の話。
選択肢を設けてのアンケート式の答えだと本音に迫れないからと行われた調査。
当然サンプル数はそんなに多くはないのだが、その結果はなるほどなというものだった。
これも結論を先に言うと、『知り合いだから行っている』。
今の時代、安かろう悪かろうでは活路は見出せない。
良かろうは必須で、その上での『知り合いだから』なのだ。
この話は、クロージングに悩む人が意識すべき重要な話なのだ。
知り合いだからというのを、元々知ってた人と捉えてはいけないのだ。
ビジネス上のお客との付き合いで、アプローチに成功した付き合いや取引は圧倒的にクロージングの成功が高まるのだ。
アプローチが上手くいった場合は、他人から知り合いにランクが上がるのだ。
考えてみれば、売れてる営業マンと売れてない営業マンの人間としての質的な差なんてそうあるものではない。
いやらしい話だが、コネの多い人が強いというのは真実なのだ。
持ってるコネが親や親族の力というのはちょっと参考にならないので外して考えたい。
真似をすべきはその話術などではなく、人間関係の作り方なのだ。
と言っても遊び友達を作るようなものではないので、ポイントを抑えさえすれば誰だってある程度はできるようになる。
最初の出会いは知らない者同士で、紹介されたとしてもよく知らない人にすぎない。
二度目があるかどうかが大事だが、積極的に会いたいと思われる間柄になってる必要がある。
時間潰しにちょうどいいから会ってやるかと思われたり、断るのもめんどくさいから会ってやるかと、義理を果たすために会うというケースも多く、それを勝手にプレゼンをしてるつもりになってる場合が多いのだ。
具体的には自分流を見つけるしかないし、そのためには試行錯誤で時間を要するのが辛いところだが、ここを避けても徒らに年月を重ねるだけだ。
初対面の時に、『この人と知り合いの間柄になるために何が必要か』を意識して行動しよう。