違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

新年の始まりに2020年を振り返った話

新年明けましておめでとうございます。

 

年の初めだからこそ2020年を振り返りたいと思います。

 

今日語りたいことは、コロナのせいで起きたことのようでもあるし、コロナが起きなかったとしても遅かれ早かれそうなっていたのかもという話です。

 

多くの人や企業が苦しい思いをする中で、生まれたヒットもありましたが、マスクや消毒液が売れたことをヒットとは誰も思ってないでしょう。

 

そんな2020年に起きたヒットとしての鬼滅の刃には、異論を挟む人は誰もいないでしょう。

 

映画やコミックだけでなく関連商品やコラボ商品が多数出て、コロナ不況の中で少しでもあやかりたい、人気に乗っかりたいと望む企業が多かったというのも自然な流れだったのでしょう。

 

しかし、この鬼滅の刃の大ヒットは実はある変化を象徴的に示しているのです。

 

〜〜〜

 

コロナのせいで旅行観光業がダメージを受け、連鎖的に宿泊や飲食の事業者が最初にダメージを受けたが、そういう業界と取引がある企業も少しの時間差の後でダメージは避けられない状態になる。

 

そして、広い意味での一般的なイベント全般が成り立たなくなってしまった。

 

それに加えて、東京オリンピックのために積極的に投資をしていた企業はその回収を図るはずだったのに、下手をすると投資は全額負債化するリスクを抱えることになってしまった。

 

イベントが回らなくなると、広告宣伝及びマスコミ事業も大きなダメージを受けることになる。

 

良くも悪くもその仕切りが注目を浴びる広告代理店も活躍の場が無くなったのだ。

 

 

そのような2020年に鬼滅の刃は大ヒットしたのだ。

 

 

 

 

日本の歴代映画興行収入のトップになった鬼滅の刃だが、この話題ただボーッと聞いてると『あーやっぱりアニメは強いな』としか思わないかもしれないが、2位の千と千尋の神隠しとの間には大きな違いがあるのだ。

 

そして、今にして思うと2017年のヒット映画カメラを止めるなとも共通した時代の変化が見えてくるのだ。

 

私たち一般人は、ヒットのプロセスの違いから気付くしかないのだが、まずは広告宣伝がどのように展開していたかの違いだ。

 

千と千尋は膨大な広告宣伝費をかけていたのに対し、鬼滅の刃もカメラを止めるなも広告宣伝はほとんど行われず、口コミや草の根活動の結果ヒットの兆しが出たことで旬の話題として報道で取り上げられることで一気に認知が進んだのだ。

 

映画を見ているといつの頃からか日本映画の場合、エンディングのクレジットの中に『(映画のタイトル)製作委員会』とあるのに気付くようになった。

 

どうでもいいけど妙に気になる不思議なネーミングだと思っていたが、それ以降どの日本映画を見ても出てくるので自然と無視するようになっていた。

 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/製作委員会方式

製作委員会方式(せいさくいいんかいほうしき)とは、アニメ・映画・テレビ番組などの映像作品や、演劇ミュージカルなどの舞台作品を作るための資金調達の際に、単独出資ではなく、複数の企業に出資してもらう方式のこと。

複数企業に出資してもらった場合の出資企業の集合体を「製作委員会」と呼ぶ。

建設業等における共同企業体(JV)と同様の形態(パートナーシップ)に相当する。

 

 

 

Wikipediaによると1980年代には使われていたようだが、これは映画が娯楽産業から投資事業に変化していたことを示していたのだ。

 

娯楽産業だった時の映画は観客を意識した作られ方をしていたが、投資事業化すると投資家や出資者を儲けさせることが目的になる。

 

イソップ童話の北風と太陽のようでもある。

 

娯楽産業だった時には観客を温める太陽を目指しただろうが、投資事業になって出資者のことを第一に考えるようになると観客は北風を感じるようになっていたのではないだろうか。

 

しかし、いつも北風が吹くことが当たり前になると北風に違和感を感じなくなるが、たまに太陽を感じると、やっぱり太陽の方が良いと感じる人は多いはずだ。

 

広告宣伝に頼らずに、草の根の口コミでヒットした鬼滅の刃やカメラを止めるなは、製作委員会方式で作られた映画ではない。

 

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※どちらもWikipediaから引用

 

 

鬼滅の刃では、製作の主体はアニメスタジオのユーフォーテーブル

 

どんな思いで映画を作っていたかというと、

 

 

アニプレックス代表取締役執行役員社長である岩上敦宏の「表記された会社が全ての責任を持つということを視聴者に伝え、自分たちもある種の覚悟を持って作品作りに挑む」という考え方をリスペクトしたものであり、アニプレックス以外のメーカーと組む際にも同じ表記を利用している。

 

 

つまり、お金を出すから儲けさせろと要求するだけの企業や投資家とは組まないのだ。

 

 

権利関係がシンプルなために利害の対立も少ないことが、関連商品やコラボ商品が一気に増えた背景にはあったのだ。

 

このような思いで製作されたことだけでは不十分で、最も大事なことは、そんなスタイルに観客や市場がついて来たことだ。

 

 

 

つい先日の2020年12月上旬に養老孟司さんがこんなことを言ってる記事が出ていた。

 

コロナのせいとかではなく、確実に時代も人も変わっているようだ。

 

 

養老孟司氏が語る「今こそ青臭いことを考えよう」

(ベランダの愛猫に目をやりながら)一番参考になるのはあれですよ。いいでしょう。何も気にしていませんもん。嫌いなことは一切やらないし。腹がすいたら、食い物をよこせという。これでいいんですよ、生きるというのは。

 

 

 

養老孟司さんの愛猫まるは、自分の果たすべき役割を果たしたと感じたのかもしれない。

 

 

 

養老孟司さんの愛猫まるが死ぬ NHKの番組などで人気 2020/12/22(火)

 

 

 

 

さあ、2021年がどうなるかはあなた次第だ!