さまざまな分野で自由化が進んでいる。
一般的には、自由化は良いことだとされる。
既得権益から解放されることで競争原理に晒されることでサービスが向上すると考えられるからだ。
第一のメリットであり最大のメリットが料金が下がること。
料金さえ下がれば、その他の要素は向上しなくても構わないと思う人は多いはずだ。
自由化の対象になるのは大きな市場があるもの。
スーパーや量販店をイメージするのが生活に身近で一番分かりやすい。
料金が下がった直後には恩恵を感じられるが、慣れるとありがたみは薄れる。
公共料金というジャンルに括られるものは特に。
自由化されてる公共料金というジャンルに属するものには電話や通信が代表格で昔の航空機料金も含めて良いかもしれない、その昔ハワイに行くと飛行機代が100万円と言われる時代があった(らしい)。
21世紀に入る頃からビジネスの世界でコスト削減がテーマとしてクローズアップされると、電気代も自由化されたものとして認識されるようになってきた。
電気の自由化は、一般的には料金の自由化を意味する。
詳しい説明は省くが、電柱や電線を伝わって送られる電気は日本に関する限り、契約先がどこであろうと全て同じ(西と東で60hzと50Hzの違いはあるが)だから、質は全く同じなので、違いは料金だけになる。
どれだけ安くなるかというとピンからキリだが、質が全く同じなら1円でも下がれば御の字かもしれない。
しかし、自由化とは安くなるだけではないのだ。
このことを理解してない人は多いし、頭では理解していても実際には高くなることは起きえないと思い込んでいるかもしれない。
しかし、
このお知らせから事態は知れ渡ることになったようだ。
日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ 2021.01.07
何が「急激な高騰」の原因なのか?
弊社の調査によると、国内発電量の大部分を占めるLNG(液化天然ガス)火力発電所が利用するLNGが複数の理由で不足しており(※)、これを主な要因として市場で販売される電気の絶対量が減少していると思われます。LNGは長期保存が難しく、事前の想定を上回る需要に応えることが難しいとされています。
また、相次ぐ寒波で暖房用電力の需要も急増しています。このように、需給両側面の事由により、急激な価格高騰が続いていると考えています。
なんのことを言ってるか分かりますか?
自由化で以前各地域で市場を独占していた大手電力会社がコスト削減のために余剰電力の発電を控えるようになったので、余剰電力を自由化市場に分配していた卸電力取引に回る電力が少なくなっているということなのだ。
余剰が少なくなるということは、自由化市場が圧迫されるだけでなく、インフラとしての電力のマージンが小さいということなのでリスクなのだ。
ここでも余力を持たないようにする事で需要急増で困るとか、日本人ってバカなのかと
— 牙 龍一:脱財政再建!消費税は廃止!通貨消滅やめろ! (@kiba_r) 2021年1月7日
//…想定する需要分を除いて早期に転売するなど、「できるだけ在庫を持たないように運用してきた」(大手電力関係者)…LNG燃料が不足のワケ 市場依存の新電力は青息吐息か https://t.co/qBIXgzMMa6
契約してる新電力から卸価格が高騰してるとメールが来たんだけど、電力卸市場ってこんな暗号通貨みたいなめちゃくちゃな市場なのかhttps://t.co/D89kqDNTqS pic.twitter.com/GWfA1hifxG
— estee (@shinshint) 2021年1月9日
業界の事情に精通した方の解説によると、
特にコロナ下で需要が急減した2020年度はスポットの平均単価が、JEPXが上がり始める前の4/1~12/14までで5.38円と異常な低さだったので、年末の価格高騰は各新電力会社にとって全く予想外のところから飛んできたカウンターパンチとなりました。
— おず♪ (@korosuke667) 2021年1月7日
この事情通の方のツイートはひとつだけしか紹介してないが、リプで繋がっているのでこの数年の事情を簡単に理解したい方は是非目を通してください。
わたしは、頭では分かっていたが実際に起こるとは思ってなかったし、上記の事情通の方のリプを見ると2〜3年前にも起きていたとが分かる。
自由化で競争原理に晒された結果値上がりするものもあるということは覚悟しなければいけないのだ。