元福岡市長、元衆院議員山崎広太郎氏が死去 というニュースが流れていた。
山崎さんの業績の一つとして2005年に2016年の夏季オリンピックの開催都市として立候補したとあって、ああそうだったと思い出した、あれは山崎さんが市長の時だったんだと。
<参考>
東京都と福岡市がオリンピック招致国内立候補都市開催概要計画書を提出
思い出されたのは、このオリンピック開催への立候補で福岡市内では街の浄化と称して警察が前面に出て、元々の昔ながらの風俗街以外で営業していた風俗店舗が続々と閉店していた、ということ。
ファッションヘルスと呼ばれていた店舗が、アロママッサージの店に衣替えしたところが多かったので、名称を変えただけかなと思っていたら、本当にただのマッサージ店になっていた、ただ裏メニューがあるという噂は聞いたことがある。
その店も長続きしなかったように記憶している。
オリンピックの審査期間だけの期間限定かと思っていたら、その後元に戻ることはなかった。
看板は出さずにマンションの一室で営業していてスポーツ新聞で客を集めていたような店舗も一掃されていて、その当時の大人の男性の間では『本当に消えたということは本気でオリンピック呼ぶつもりだったんだね』という会話があったことを思い出した。
と、いうことは東京でも浄化は行われていたのだろうかと今更ながら思った。
コロナが無かった頃に、東京の浄化はどのように展開されていたのかを検索してみた。
2013年にこのような記事が出ていた。
大きなイベントがあるたびに取り沙汰される新宿・歌舞伎町の“浄化作戦”。多くの外国人客が訪れる東京五輪でも、風俗店や不法滞在者の大規模摘発が予想されている。
五輪開催地を決めるIOC総会の6日前、早くもその動きがあった。9月1日、歌舞伎町から“客引き”が消えたのだ。夜の歌舞伎町では、歩くのも困難なほど大量の客引きに囲まれるのが当たり前のはず。写真家の権徹氏は驚きを隠さない。
浄化は性風俗に限らず、街からゴミや汚れを一掃しようとするモチベーションにもなるようだ。
次の記事は2020年の10月に出た記事で、前回の東京オリンピックの頃に行われていたことを述懐する記事。
オリンピックが変えた東京の街・「首都をきれいに!」~「レガシー」からたどる1964
日本人はきれい好きだ。繁華街にごみ箱やごみが目立たず、分別収集が徹底され、公衆トイレは清潔で、イベント会場や乗り物ではスタッフが座席までごみを回収に来てくれることさえある。世界最大級の旅行口コミサイトが発表する都市調査では、街の清潔度で東京がシンガポールを抑えて1位になったこともある。外国人の印象度も高い、きれいな街になった歴史をたどると、昭和30年代、オリンピックを迎える東京では住民を挙げた「大作戦」が進行していた。
〜〜余談〜〜
東京オリンピックや大阪万博で会場に設置されていた時計がSEIKO製で、全てが同じ時間を指し、その全てが正確だったことに世界が驚いたという話を聞いたことがある。
浄化作戦と合わせて、今語り継がれる『日本スゲ〜』はこの頃の遺産なのかもしれない。
〜〜余談終わり〜〜
次の記事は、風俗界の求人情報で日付がないがコロナの存在などない頃のものだろう。
風俗規制は悪いことばかりではありません。イベントの前に摘発される店の多くの場合、違法行為や詐欺をしている悪質なお店、違法行為の疑いがあり前々からマークされている風俗店が多いようです。したがって、規制後に残るのは働く女の子にとってもお客にとっても、「安心して遊べる」「安心して働ける」お店だけが結果的に残ります。
コロナですっかり様相が変わってしまったが、現在槍玉に挙げられているのは、風俗を含めて夜の街であり夜間営業で、風俗ですらない飲食店が大打撃を受けている。
風俗界にとっては、今起きてることはあらかじめ想定されていたことの延長線上にあるものと捉えられてるかもしれないが、飲食界にとっては全く心の準備ができてないところを狙い撃ちされたようなものだろう。
居酒屋が、カフェやランチやデリバリーへと業態を変更する話を目にしたり耳にするようになっているが、これはもしかしたら意図したものとは違う浄化の一環なのかもしれないと考えると、為政者の中には『これはこれで悪くない』と思ってる者がいても不思議はないだろう。
景気がそれなりの時代だと、脱税なども多く、詳細なお金の流れを当局も補足しきれない面があるが、コロナで景気が後退し、多くの企業や事業者が補助金や給付金に頼るようになってる現在、そのこととセットでお金の流れの捕捉が従来以上に進んでいるのかもと思える。
意図したものであろうとなかろうと、ビッグイベントが起きる場合は、破壊と浄化が同時に進行してるのかもしれない。
東京オリンピックやコロナのことで起きてる出来事は、破壊と浄化という観点で捉えると思わぬことが見えてくるかもしれない。