昨日のブログでスマホ脳に触れて、夕方本屋に行ってちょっと立ち読みしようかと思ったけど、ろくに中身も見ないで買ってしまった。
全部で約250ページの3分の1ほどまでしか読んでない状態で、おそらくこの後が本題で、私が読んだ部分は少し長いプロローグ的な話だと思うが、この時点で買って良かった、すでに元は取ってお釣りが来るくらいだと感じている。
啓蒙書の類でここまで惹かれた本はなかった。
以下の話は、3分の1しか読んでないが、この時点でこの本のどこにそんなに惹かれたのかを記したい。
タイトルはスマホ脳となってるが、このタイトルのせいで食わず嫌いを感じやすいかもしれないが、もちろんそんな狭い話ではない。
いろいろな書評やTwitterでの反応等も見ていて、興味を感じていたので買ったのだが、事前に持っていた先入観を大きく超える内容で、私が個人的に疑問に感じていた多くのことに答えが見つかるような気すらしている。
あるいは、世間で起きてる変な出来事がなぜ起きてるのかということにも自分なりの一本筋が通った理由が見出せるような気もしている、3分の1しか読んでないのにだ。
昨日のブログでも書いたが、現代人が食べ過ぎと運動不足から生活習慣病を起こすのは、私たちが持つDNAなどの原始的な要素は飢えに対処する機能は備えていても、飽食や過食や運動不足は想定外なのだと意見を持ってるが、そのような話が冒頭から出てくるのだが、私はそこで止まっていたが、著者はそこでは止まらずもっともっとどんどん掘り進めていくのだ。
その結果私が、断片的に、中途半端に、知っていたことや、知らなかったことなどが、鮮やかに一つにつながっていくような話が展開されるのだ。
この辺の話は、書評などではほとんどが割愛されているところを見ると、私のような反応はマイナーなのかもしれないが。
現代人の悩みは大きく分類すると、①経済的な悩み②人間関係の悩み③健康の悩み、に大別される。
細分化するとキリがないが、結局細分化されたものの多くはこの三つのどれかに行き着くと考えられる。
適度な悩みは人を活性化させる、逆にいうと、活性化してれば悩みのレベルは適度だと判断されるのだ。
しかし、悩みの度が過ぎると人間はおかしくなる。
現代では、悩みが心や身体に与える悪影響について、医学や心理学や哲学などさまざまな側面から少しでも解決すればとアプローチがなされているが、解決以前に、なぜそんなことになるのかというメカニズムすら一般人が納得できるようなレベルではわかっていない。
赤ちゃんの声がうるさいとキレる老人の話も良く聞くし、煽り運転は社会問題化するし、同じ怒りの分野でもビジネスライクな現場では、怒りをコントロールするためのアンガーマネジメントなども出てきてるが、そもそもなぜそんなことで怒るのかという根本問題は手付かずで、脳の萎縮など老化や退化に結びつけることも多い。
どれも納得できるようで中途半端な感じも拭えず、しばらくすると多分違うなとしか思えなくなる。
そんなことを全部まとめてスッキリさせてくれるような話が、前半の3分の1に凝縮されているのだ。
凝縮しても本の3分の1を必要とするということは、要約することは無意味かもしれない。
知らない話のオンパレードではなく、知ってるはずのことがバラバラだったのだと気付かされるのだ。
部分的に引用したい気持ちもあるのだが、多分それだと伝わらないような気がするのでしない。
ただ、書評の多くはそういうことを感じたという風には表現されてないものばかりなので、繰り返すが私のような反応がマイナーなのかもしれないが、この本は書評や要約を読んで、読んだ気になることが損につながるような気がする。
この本は、読めば悩みが解決するという本ではなく、なぜそんなことで悩むのかが解決する本だと言える。
『そういう理由で悩んでいるのか』と分かることで、悩みは悩みですらなくなるということはあり得るのだ。
そういう意味でこの本はおすすめだ。
冒頭でAmazonのリンクを貼ったが、この本は紙の本がおすすめ。
スマホ脳を電子書籍で読んでると、病んでる感が強い気がする。
一旦、この状態でブログを上げ、残りの全部を読んだ後で追記したい。
<追記>
残りを読み進めながら、相変わらずのおもしろさを感じながら、これまた要約するのは馴染まないなと感じられ始めていた。
そして途中から、どの部分がそうなのかということではなく、全編を通じて言えることとして、この『スマホ脳』は現代の事例を豊富に盛り込みながら、内容も文体もマズローの欲求5段階の話を、より平易にかつ洗練させた話になるのではないかと思えてきた。
決して私のことを言ってるわけではないのに、自分ごととして受け取りながら読めていた、こんな体験は初めてかもしれない。
慰めたり、励ますような話が展開されてるわけではないのに、読むと心が軽くなる気がしてくる。
悩みや心配がある人は、それが解決するわけではないが、確実に心の重さが軽減されるはずだ。
いろいろな分野で、専門の細分化が起きていて、それらが独立して扱われると、本当はつながっているはずの全体像を俯瞰で見るという単純なことが最も困難になる。
この本には、俯瞰で全体を見渡した話が書かれている。
本書内でも取り上げられてるテーマの一つに、気が散ることと集中の対比がある。
こんなことが書かれていた、具体的な事例は示されずに。
自動化や人工知能の普及により、消えてしまう職業は多い。人間に残される職業は、おそらく集中力を要するものだ。皮肉なことに、集中力はデジタル社会で最も必要とされるものなのに、そのデジタル社会によって奪われてもいる。
どうせ読むなら、急いで読む必要はないが、集中しながら読まないと、もったいない。