少し長い前置きから。
喫煙率が年々減少していて、男性喫煙者の割合が50%(全年齢通算で)を切ったのが平成14年。
2018年の調査を最後に終了した『全国たばこ喫煙者率調査』だが、その最後のデータは、男性の喫煙率が27.8%で女性が8.7%。
※データの出典は
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
タバコが嫌われることに明確な理由が与えられたのは、周りに喫煙者がいれば喫煙しない人にも害を及ぼす受動喫煙の存在が明らかになったことが大きい。
この受動喫煙対策として生まれたのが分煙で、ウィキペディアによると1985年が最初とされるらしい。
公共の場所を始めとして、不特定多数が集まる現場から実質的にタバコが排除され始めたのはこの頃からかもしれない。
嫌煙権に基づく最初の訴訟が提起されたのが1978年。
昔は、映画館や電車やバスの中でもタバコを喫う人は当たり前のようにいた。
例えば映画館の場合は、昭和23年の消防法で館内の喫煙は禁止されてるはずだが、受動喫煙が認知され始めて喫煙が減り始めたように感じる、当初はタバコの煙で映写効果を妨げるからやめてくださいとアナウンスされていたような記憶もある。
タバコを喫うことは周りの他人に迷惑をかけるということで、悪いというだけでなくそれ以上に恥ずかしいことになったことで、排除の動きに実効性が生まれたように感じる。
そんな流れを受けても飲食店での禁煙や分煙の歩みは、非喫煙者から見るとノロノロとした歩みに見えていた。
売り上げや儲けを考えると、喫煙者を排除できないからなのだろう。
それに加えて、今朝次のツイートを見かけて、酒もタバコと同じ扱いになってきたなと感じられた。
いまやお酒を飲む人の方がマイノリティー…。 pic.twitter.com/SLCZSTRE5l
— どエンド君 (@mikumo_hk) 2021年3月29日
タバコだけでなく酒も嫌いなわたしには、ずっと前からビールの喉越しをアピールするCMでの大袈裟な芸能人の演技に違和感があった。
『喉越し最高!』とアピールするその演技を見ながら、これが嘘つきの表情だなと思っていた。
コロナで飲食店、特に夜の営業が主力の店舗が、大打撃を受けてるが、この業界は今やマイナーな存在となった飲酒や喫煙の受け皿的な数少ないジャンルだったはずだと改めて実感している。
緊急事態宣言の解除で人が大勢動き出したと言われるが、酒とタバコを堪能できる場を求めて動き回っているように感じられる。
コロナ以降、人手が目立つ現場では必ずセットでゴミや散らかしの問題も起きているところからそう感じられるのだ。
割合でいうとマイナーになったとはいえ、絶対数で言えばまだまだ多過ぎるくらいいるのだ。
コロナで、働き方が変わったと言われるが、おそらく飲食のあり方もかなり変化してるはずだ。
飲み会や夜の飲食は、酒やタバコが嫌いではなくてもストレスに感じていた人が少なからずいたはずで、断る理由が見つけられずに付き合っていたという人が多いはず。
嫌々付き合っていた人たちの中で、酒やタバコが好きな人の一部は待ち望んだ場になるかもしれないが、嫌いな人は今だと参加に『NO』を突きつけるだろう。
飲食店だけでなく、人を集めてビジネスを展開する事業では、酒とタバコにどう向かい合うかが大きく問われるはずだ。
今いきなりコロナがこの世から消えて元の状態に戻れたとしても、客が戻らない現場はたくさんあるはず。
コロナ禍での過ごし方で、中毒の度合いを増した人もいるだろうが、前以上にもう酒とタバコは勘弁してほしいと思ってる人は多いはず。
自分が嫌いだからかもしれないが、ますます嫌われているのが酒とタバコだと感じる。
酒とタバコは、リトマス試験紙として機能しているはず。