DX(デジタルトランスフォーメーション)。
言語明瞭にして意味不明瞭な最近のキーワードの一つ。
昨日のブログ を書いて、思い立ったが吉日とばかりにapple pencil を買ってきた。
これまでの人生で絵やデザインは、苦手中の苦手だと自負し、徹底的に避けてきた、頭の片隅では、できるようになったら気持ちいいだろうなと思いながら。
同様なものに楽器がある。
昨日のブログでは、apple pencil への興味の根底に絡んでる昔話を書いたが、本当はそれだけではなく、もう一つの切実な思いもある。
それは悲壮感を伴った挑戦と言っても良いかもしれない。
アナログからデジタルへの変化の流れに対応した結果、絵を描くこと以前に、字を書くことすら苦手な自分が出来上がった。
何かを間違えている、そういう思いがずっと燻っていた。
デジタルに対応してるつもりになってるが、おそらく低レベルで不十分なはずなのだ。
マッキンゼーのDXに関するレポートがめちゃくちゃ参考になるのですが、その中でも衝撃だったのがこの部分です。わずかに16%の企業しかDXに成功していない反面、成功した際には勝負にならないレベルの競争優位性を獲得できるとのことです。DX or Dieな感じですね…https://t.co/aDRRipZ8fC pic.twitter.com/M03KcSNsnD
— 村上智之 データサイエンティスト育成の専門家 (@GreenGreenMidor) 2021年4月4日
このレポートは、それなりの規模の企業にDXの売り込みを促進するために作られているのは明らかだから、多少割り引いて解釈する必要があるとしても、企業向けの話にとどまらず、個人の遊びや趣味に関しても参考になることが書かれているので、読む価値はある、ちょっと長いけど。
一箇所だけグラフを引用したい。
数字以上に、挙げられてる項目に意味がある。
ざっくりいうと、ここで挙げられてることはデジタル変革が進まない場合の言い訳をカッコよく表現したものだ。
ここに挙げられてる言い訳は、個人の遊びや趣味にも当てはまるはず。
そうするとおもしろいことに、これを個人の行動や意識に当てはめると、組織だと他人のせいにできることが、全て自分のせいになるのだ。
グラフで、シニア…と書かれてる部分は、自分の心の中の老化した価値観とでも置き換え可能だろう、実際の年齢とは関係なく。
この中で、言い訳として正当だと言えるのは、資金の欠如くらいで、個人の場合、ない袖はふれないし、投資と称して借金することは個人に関してはダメだと感じる。
DXは、最初の出発点のコンセプトが大事で、デジタルにすることに意味があるわけではない。
銀行にお金をおろしにいったら生体認証カードのデータが消えていて、印鑑と通帳と免許証を持ってこいと言われました。あの・・・そういうものなくても使えるカードだって言われれて替えたんですけど。印鑑にも通帳にも免許証にも僕の生体のデータなんか入ってないのに。
— 内田樹 (@levinassien) 2021年4月5日
このツイートには次のようなリプが寄せられていた。
私の場合は、生体認証の認識率がだんだん低くなってしまい、場合によっては10回以上連続して認証できなくて、窓口で1回カードを作り直してもらった(それも最初はカード再発行手数料を取ると言われた)けど、全然改善されず、生体認証をやめたいと言ったら、単に生体認証認証のデータを消されただけ😭
— ジュゴンあや(小ジュゴン六姉妹の母) (@DugongdugonAya) 2021年4月5日
スタートを間違うと上手くいかないのはデジタルであろうとアナログだろうと同じだが、デジタルの方がわざわざやってる感は強いので、上手く行かなかった場合の徒労感は大きいはず。
間違った取り組みを敢えてやって、結果失敗するという経験があると、もうやりたくないという思う人には、最初の発想が間違っていたという反省には辿り着けない人が意外と多いのかもしれない。
ビジネスであろうと遊びや趣味であろうと、挑戦は必要だし、挑戦するかしないかの障害は気持ち次第なのだ。
挑戦の多くは、全くの未知ではないことがほとんどで、どこかの誰かの成功事例はすでに存在してることが多い。
多くの場合の挑戦とは、自分なりの再現への挑戦なのだ。
再現したい成功事例を知ることがスタートには重要なはずだと、apple pencilを前にして思っている。
一週間でどの程度のことができるか試してみたい。