1年前の記事。
なぜ若者の政権支持率は高いのか 学生との対話で見えた、独特の政治感覚
当時、世間を騒がせていた森友・加計学園の問題を議論した。安倍政権を肯定する意見がゼミ生25人の7割を占めた。 「何政権であろうと、民主主義国家としてよくないのでは? 私がそう水を向けると、彼らはきょとんとした顔でこう言うんです。『そもそも、総理大臣に反対意見を言うのは、どうなのか』って」
今年の記事。
絶句「僕の将来の夢は…」大人を悲しませた10歳の素朴な発言 3/13(土)
「僕は、将来は社長に気に入られる社員になりたいです!」 と堂々と言ったのです。 最初は冗談を言っているのかと思いましたが、周りの大人たちは笑うどころか拍手しているのです。
人の数だけ、夢や希望はあるものだと思い込んでいたが、そうでもないのかもしれない。
上記の二つの記事を読んで、三つ子の魂百までが思い浮かんだ。
この展開を嘆かわしいことだと捉えると、起きてることの本質が見えなくなるような気がする。
良い悪いと関係ない必然すら感じられる。
最近の風潮では65歳以上が高齢者と見做されるということは、それ未満の年齢が現役世代になるとして、現在50歳以上の人が生まれて少年少女期を過ごしたのが1950年代半ば〜1970年代半ば。
Wikipediaでは高度経済成長期とされているのが、
1954年(昭和29年)12月(日本民主党の第1次鳩山一郎内閣)から1973年(昭和48年)11月(自民党の第2次田中角栄内閣)までの約19年間である
どんな時代だったかというと、
この時代、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の3種類の家電製品は三種の神器と呼ばれ、急速に家庭に普及していった。これら便利な家庭製品の普及は生活時間の配分にも大きな影響を与え、女性の社会進出を促すことになった。この当時の風潮としては「大きいことは良いことだ」が流行語となり、「巨人・大鵬・卵焼き」に象徴される。「東洋の奇跡」と言う言葉が使われ始めた頃は日本人独特の「勤勉」「個より集団を重んじる(=和の文化)」等が要因として挙げられた時期もあった。
この時期に少年少女期を過ごした人には、この時代の空気感が三つ子の魂として焼き付いていても不思議はない。
Wikipediaでは、1973年〜1989年を安定成長期としているが、この時期に少年少女期を過ごしたのが現在の30代〜40代の方、この中にはバブルの崩壊に親が巻き込まれた少年少女期を過ごした方もいるだろう。
それ以降は、低成長期と呼ばれていて、30代前半より下の世代になり、この世代は社会全体としての好景気を知らない世代で、成長を実感したければ、個人的に掴み取るしかないという思いが骨の髄まで染み付いていても不思議はない。
日本人現役世代のかなりの人の三つ子の魂には、辛い記憶が焼き付いてる人が想像する以上に多いのかもしれない。
2017年、突然日常会話になったのが忖度。
森友学園問題の報道の中で使われたことがキッカケだが、すっかりことばとして定着したところを見ると、忖度と表現するしかない現象が少なくないからだろう。
冒頭の記事のように、『総理大臣に反対意見を言うのはどうなのか』や『社長に気に入られる社員になりたい』という反応は忖度としか表現のしようがないが、これを学生や子供が自ら言うようになっているのは、社会や世間の空気を読んでそれに適応しようとしてるからだろう。
つまり、自然と身についた処世術なのだ。
ドラマなどで描かれる忖度してるシーンは、脚本としては視聴者を笑わせたり、正義に駆逐される悪を描くことを意図してると思っていたが、そうではないのかもしれない。
そういう処世術を身につけた人々が増えたのが今なのだ。
今日あったこと
— にしもとのりあき⭐/漫画 (@Nishimotta) 2019年1月5日
衝撃やったこと pic.twitter.com/24mozHpdnb
— にしもとのりあき⭐/漫画 (@Nishimotta) 2019年1月5日
これも忖度の一種に思える。