最近は実年齢より若く見られたいと思う人が増えている。
十分に若いはずの人であってもだ。
広い意味での美容や化粧や健康に関連する市場の拡大や、そういう市場に異業種から参入する企業が多いこともそのことを示しているだろう。
加齢を意味する表現が容姿に関する場合は嫌がられるが、経験や体験の豊富さを連想させる場合はちょっと違う印象なのかなと感じる。
『年輪を重ねる』のように樹齢のようなイメージを持つと、年数は多ければ多いほど貴重な感じが増すことは人間には当てはまらないのだろうか?
樹齢や年輪という観点でおもしろそうな話があった。
年輪のない樹もあるのだ、おもしろいことに年輪がないだけあって見た目も年齢不詳だ。
パオバブって不思議な木だ。高さは30m、直径は10mにも及び、大木になると幹に10トンもの水を蓄えているそうだ。年輪が無いので樹齢を知る事は難しいけど数千年に達するらしい。太い幹の横からは枝が出ず「悪魔が巨木を引き抜いて逆さまに突っ込んだようだ」と言う言い伝えも。 pic.twitter.com/kpcLWXCWmo
— Green Pepper (@r2d2c3poacco) 2019年9月19日
他にも、
ギリシャ・クレタ島の西部にある世界で最古としばしば指摘されるオリーブの木の写真。 https://t.co/EYUhlC4PAc 細いコアによる年輪の調査などから推定された樹齢は2000~4000年。今も実をつけ、2004年のアテネ・オリンピックで勝者が被った冠はこの木の枝で作られた。写真の撮影者は Eric Nagle 氏。 pic.twitter.com/GhBMjYRQNe
— Oguchi T/小口 高 (@ogugeo) 2021年3月20日
年輪は育った環境を示すと言われる。
一般的には季節の違いでの成長の違いが1年単位の模様となって現れるのだが、熱帯のように季節が常に同じであれば上記のバオバブのように年輪ができないらしい。
熱帯でも雨季と乾季があるような場合は年輪ができるらしい。
人間が加齢を嫌がるのは、年輪に相当するのがシワを始めとする外見だと感じるからだろう。
しかし、樹の場合の年輪は外見から分からなくて、切って初めて分かるものなので、人間に年輪があったとしても外見からは分からないのかもしれない。
調べてみると、人間の年輪は法医(歯)学の領域になるらしい。
ドラマでよく見る白骨が発見された後で、その骨の主の年齢や生きていた年代を推定するあのシーンだ。
人間の年輪が現れるのは骨や歯なのだが、目視で簡単に分かるようなものではないらしい。
若さ云々はさて置いて、人間の真の姿は骨に現れるというのは正しい真実かもしれない。
最近筋トレがブームだが、理想は骨格を鍛えることだろう。
似たような話を、車やバイクのチューニングに夢中だった頃に聞いたことがある。
馬力やスピードに関心があった頃に、どんなにパワーを上げたってタイヤやフレームの許容範囲以上のことはできないと。
人間でいえば骨格以上のことはできないとなるだろう。
今が旬の活躍しているスポーツ選手を骨格という観点で捉えるとおもしろい発見が得られるかもしれない。
人間にとって大事なのは、きっと若さよりも骨のはず。