違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

垂直思考から水平思考へ

昨日、最近気になって最近気になっていた本を買った。

 

『2030』マウロ・ギレン

 

まだ読み始めたばかりで350ページ以上あるうちの50ページほどしか読んでないが、期待を裏切られない予感がある。

 

表紙に書いてあるように、おそらく全編を通じて水平思考が貫かれているのだろう。

 

翻訳本にありがちな違和感は少なく、どちらかというと推理小説を読み始めた中学生の頃の読みながらのワクワクが感じられるのだ。

 

こんな感じは久しぶりだ。

 

こんな感覚を味わえるのは、著者のマウロ・ギレンの水平思考展開の上手さに拠るのだろうが、それだけではなくわたしが水平思考できてなかったからこそ感じてる新鮮さだと思える。

 

 

本の冒頭では人口問題が語られている、そして中国に関してこんなことが書かれている。

 

1979年に始めた一人っ子政策を2015年に廃止したのは、いまさらながら少子化が課題になり始めたから。

 

人口爆発に危機感を持った中国政府が一人っ子政策をとったが、水平思考で捉えると現在の中国の少子化は一人っ子政策のせいだとは言えないとなるのだ。

 

むしろ、一人っ子政策はほとんど機能しなかったとなり、少子化の要因は別にあり、その要因は他の少子化に直面してる国と同じなのだ。

 

もし、水平思考という視点があれば中国の場合、1960年代に少子化の兆候が見えていたので一人っ子政策なんて取り入れる必要はなかったと書いてある。

 

そして最も面白いのは、中国が一人っ子政策をとったことで現在の世界に大きな影響を与える出来事が起きていたのだ、何が起きていたかは読んでのお楽しみに。

 

こういう話が、推理小説の謎解きのように感じられるのだ。

 

 

 

本を一気に読み進める前に、水平思考について整理してみた。

 

 

 

問題解決のために既成の理論や概念にとらわれずアイデアを生み出す方法である。エドワード・デボノが1967年頃に提唱した。

 

デボノは従来の論理的思考や分析的思考を垂直思考(Vertical thinking)として、論理を深めるには有効である一方で、斬新な発想は生まれにくいとしている。これに対して水平思考は多様な視点から物事を見ることで直感的な発想を生み出す方法である。垂直思考を既に掘られている穴を奥へ掘り進めるのに例えるのなら、水平思考は新しく穴を掘り始めるのに相当する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/水平思考

 

 

 

 

おそらく現代人の多くは、賢いつもりの人ほど垂直思考に囚われてるだろうという気がする。

 

世の中の中枢の多くが垂直思考の産物のはずだ。

 

垂直思考しかしない人から見ると、水平思考はともすれば屁理屈に過ぎないかもしれない。

 

しかし、なぜだかわからないが現実に起きてる人間が起こす出来事を正しく理解したいと思うならきっと水平思考の出番だ。

 

 

資本主義や民主主義などずっと続くであろうと思われていたシステムに限界が近づいてるとするならば、それらが垂直思考の産物だからだ。

 

私たちが普通だと思うことの多くは垂直思考の産物だとするなら是非身に付けたいものこそが水平思考だ。

 

 

 

 

 

残りは一気に読み進めるよりも、ゆっくり味わいながら考えながら読みたい。