プロ野球には15秒ルールというのがある。
そのルールの内容や適用された背景としてWikipediaには次のように書かれてる。
無走者のとき、投手が捕手からボールを受けて15秒以内に投球しない場合に、球審がボールを宣告するというものである。このルールは、2009年より日本プロ野球において採用された。
日本の野球が国際大会等で「スピーディーに試合を行おうとする意識がない」「マナーが悪い」などの指摘を受ける、加えて日本プロ野球機構は環境省が推進する地球温暖化防止策に賛同しており、照明節約をはじめとする試合開催におけるエネルギー削減に努める、などの見地から、「投手が捕手からボールを受けて15秒以内に投球すること」という独自の運用を定めた。
15秒という時間は長いのか短いのか?
受験生が試験を受けてる時に残り15秒になったら自分の名前の記入を確認するくらいのことしかできないだろう。
一方で、15秒と言われて馴染みがあるのはテレビCM。
受験だといまさら何ができるのかと思ってしまう15秒は、人の脳へ刺激を与えるには十分な時間なのだ。
もちろん時間が長い方が表現できることは多いが、結果や効果は時間の長さに比例するとは言えない。
テレビCMだと15秒は短い方なのだが、YouTubeの場合だと15秒は長い方に属してしまうのだ。
検索すると、
米国発! テレビCMは「6秒」が新標準になる? 2018/4/19
2017年、FOXが「Teen Choice」という番組で初めて6秒CMを試してから、ディスカバリーチャンネルが同年末から5秒CM枠の検討を始めるなど、各局が取り組んでいます。
「6秒CM」の衝撃 トヨタやウェンディーズ等、先進企業の短尺CMの活用法から実用性を説く
2018年末、師走のCM界に一つの衝撃が走りました。それは、TBSテレビの『SASUKE2018』とフジテレビの『フジボクシング2018』で、「6秒CM」と「Picture in Picture」を組み合わせたまったく新しい形のCMが放映されたことでした。画面左側に番組本編を、右側に6秒CMを並行して映し出すこの手法は、非常に高い注視度を獲得しました。こうした新しい手法は、米国でも試験的な運用が始まったばかりです。
15秒を一つの基準にしながらも、短秒化は模索され続けられている。
15秒で何が表現できて何が伝わるのか、受け手はそれをどのように受け取るのか?
時間が長いほど、発信側と受け手の間のギャップは少なくなるだろうが、それ以前の問題として長いとスキップされるという意味では意図は伝わらないし、企業イメージすら悪くなる。
CMの短秒化を考えているとプレバトの俳句の夏井先生の解説が頭をよぎる。
五七五の十七文字で表現を極めようとすると、表現したいことを全部盛り込むなんて不可能になる、ことばや単語が持ってる前提イメージはフル活用した上で読み手の想像力に委ねる要素も多くなる。
読み手の想像力に委ねることを夏井先生は『読み手を信じましょう』と表現する。
当然ギャップが生じることは避けられなくなる、教科書ガイドのような別途の解説が求められるかもしれないが、おそらくそれは野暮なことだろうが、現代風のクソリプ防止のために必要になるだろう。
CMの短秒化と俳句ブームは互いにリンクしてるかもしれない、スマホやカメラが高性能化し、きれいな映像が簡単に長時間録画できるようになればなるほど、どうでも良いものを大事に抱え込むことにつながるかもしれない。
長時間に振り回されてる人は、いっそのこと15秒の世界観に意識をシフトするくらいが丁度良いかもしれない。