おもしろいツイートが流れていた。
植木岳雪「研究者の不採用通知における「お祈り」通知と「ますます」通知」 https://t.co/e74o7jmsB5 pic.twitter.com/fuGGYXmo19
— まんじゅ (@manju1635) 2021年9月12日
一般的な就活における不採用とは違う扱いを受けてたであろう研究者募集における不採用通知も他の業種や分野と同様のテンプレートを適用した通知がデフォルトになったようだと伝えていた。
わたしも不採用通知は経験あるが、わたしの脳内に浮かぶテンプレートは、『残念ながら貴意に添いかねます』や『今回はご縁がありませんでした』で、もしかしたらこの後にお祈りの言葉が添えてあったのかもしれないが記憶にはない。
Wikipediaには次のようにかなり以前からお祈りは使われていたようだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/お祈りメール
「不採用通知にメールではなく手紙が主に利用されていた1980年代には既に用いられていた」と報じているほか、杉元伶一の小説『就職戦線異状なし』(1990年)においても不採用通知の末尾に「今後のご健闘をお祈り申し上げます」の一文が用いられる描写がある。ただし、当時は不採用通知を「お祈り通知」「お祈り手紙」などと呼称する慣習は無かった。
このWikipediaを読む限りは、今となってはただのテンプレートとして機械的に適用してるだけの文言で、使ってる企業もそこになんらかの意図を込めて使ってるようには感じられない。
ただ伝統的に受け継いでるだけか、もしかしたらどこかのコンサルが勧めるからと言うだけかもしれない。
そう考えていてふと思い出した話がある。
昭和の頃のある人気企業の人事の責任者から直接聞いた話。
不採用の通知には気を使う、できるだけ丁寧な文言を使いながら逆恨みされないようにすることにエネルギーを注ぐと言っていた。
なんのためにそこまで気を使うかというと、人気企業だから採用する人よりも不採用になる人の方が圧倒的に多いのだが、その不採用になった人が可愛さ余って憎さ百倍と会社を憎むようになると損だからだと言っていた。
不採用だが、会社が出すサービスや商品の顧客にはなって欲しいからだと言っていた。
そのために定型文は絶対に使わないと言っていた。
定型文を使われると、人はあしらわれたと感じやすいからだとも言っていた。
多分、現代ではそのような配慮をしてる企業はほとんどないかもしれない、生産性が高いとは思われないだろうから。
と思っていたが、こんなツイートがあった。
お祈りメールが優しさに溢れてて泣きそう…ありがとう…私がんばるね…😭✨ pic.twitter.com/JrVQ0xnhQz
— めろ @23卒 (@Whg2dYuviIGmjc8) 2021年9月9日
この会社がどこかは不明だが、不採用になった人を会社のファンにすることには成功してるのだ。
定型文を使う場合にはTPOを弁えることが大事だと改めて感じる。
厄介なのは、定型文を使わないためには定型文を知ることも必要になることだ。