違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

Big Boss新庄剛志に感じるニッチやマイナーの美学

プロ野球の日ハム球団の新監督に新庄剛志氏が就任することになり、その記者会見が昨日行われ破天荒ぶりが話題になっていた。

 

 

しかし、突拍子もない発言や表現方法の端々に関係者に対する配慮、野球に対する情熱や敬意が、見え隠れしているのもまた、新庄流。

 

そこには「人として成長なくして技術的成長なし」が口癖だった阪神時代の恩師、野村克也監督の「ノムラの教え」をしっかりと継承した新庄監督の姿があった。

 

 

 

新庄剛志氏が監督を引き受けた理由や気持ちは会見で十分に伝わったような気がするが、日ハム球団経営陣の真の思惑が表明されたわけではない。

 

全く違うとは思わないが、おそらくズレはあるだろう、そしてそのズレは経営陣には本当は理解できないが、許容し、利用できるならしてみたいという期待や嬉しい誤算狙いなのだと感じられた。

 

 

新庄剛志氏のような存在やキャラクターはマイナーでニッチだからこそであって、あのスタイルが典型的な監督像だとしたらオファーはなされなかったはず。

 

 

日本のプロスポーツの中では事業規模が一番大きいのがプロ野球だが、地上波でのテレビ中継が減ったことでも人気の低迷がわかる。

 

スポーツとしてはメジャーだが、将来性に目を向けると競技人口が減っているのが野球で、特に子供がするスポーツとして野球を選択肢に入れないのだ。

 

おそらく、そういう子供の親は野球をそんなに好きではないはず。

 

裾野としてのファンは減っているが、それでもスタジアムに入場料を払ってでも訪れるコアなファンはまだ多いのだが、テレビで見ようとする人は減っている。

 

この後、スタジアムに訪れるファンの減少が顕在化すると、プロ野球はますますジリ貧化する直前に位置してるのだ。

 

 

そんな現状に対しプロ野球OBも発言している、以下は1ヶ月前の話。

 

 

里崎智也、“日本野球界の危機”に疑問。「メディアが過剰に危機感を煽るのはどうなのかな」 10/10(日)

「一番大切なのは“競技”人口ではなく、“野球好き”人口を増やすこと。私自身、常にそこを意識して活動しています。野球界を支えているのは誰かと考えたとき、競技人口ももちろんですが、それ以上に“野球好き”人口を増やすことを考えなければいけない。プロ野球を例にすると分かりやすいですが、球場に来てくれて、テレビで試合を見てくれて、グッズを買ってくれる。そういう“野球好き”によって、野球界は成り立っています。もっというと、野球好き人口の増加は、そのまま競技人口の増加にもつながるはずなんです」

 

 

メジャーな存在になったことで何かが失われ、その結果ファンが離れているとしたら、メジャーな存在ゆえの発想を切り替えることが活路を開くためには有効かもしれない。

 

 

わたしが今回の新庄剛志氏の就任を歓迎したいと思ったのはこの発言があったからだ。

 

新庄監督、会見後に再び現れ1年契約明かす「来年はここにいないかも」

新庄監督は会見終了後、「1つ言い忘れてました」と再び会場に姿を現した。「契約年数は球団から10年と言われましたけど1年契約で頑張ります。だからクビになって来年はここにいないかも。よろしくお願いします」

 

 

 

メジャー路線を歩む人には案外美学はないものだ。

 

しかし、ニッチでマイナーな路線を突っ走る人には美学が必要だ。

 

いや、美学しかないと言って良いかもしれない。

 

 

一旦会見が終了した後のこの発言を聞いて新庄剛志氏のことをBigBossと呼びたくなった。