ネット界隈は、やれメタバースだweb3.0だブロックチェーンだと盛り上がっているが、多くはそこにどう関わって儲けるかというテーマでの盛り上がりだ。
目先の欲に囚われての関心だと、肝心な本質を見失うものだ。
そこで、備忘録を兼ねて整理してみた。
今朝見かけたこの話題に触発されて。
スピンドル問題まだ終わってないんだな。ICO詐欺に引っかかる方もどうかと思うけど。そーゆー人達には他の儲け話で埋め合わせって通じるのかな / “GACKTが続ける “仮想通貨トラブル” の謝罪行脚…代わりに「儲け話」提案も【スクープその後】(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース” https://t.co/1bXCyf87Xh
— Masanori Kusunoki / 楠 正憲 (@masanork) 2021年12月26日
そもそもインターネットとは?
軍事目的で生まれたもので、従来の電話や無線という通信システムの脆弱性である基地や拠点の通信システムが破壊されたら通信不能になることをカバーするためのもの。
インターネットが唯一画期的なのは、そのシステムの要である冗長性の実現のために特定の国や企業の権利や利権と切り離されて縦横無尽に繋がることが出来たことで、当初案が民需から生まれたものではなかったこと。
災害発生時に電話が使えない時でも、ネットやSNSは使えたという話が少なくないのは、インターネットの冗長性の高さのおかげだ。
Wikipediaにはインターネットのイメージを視覚化したマップとして次のようなものが載っている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/インターネット
右下を拡大すると、
しかし、大多数の一般人にとって当初のインターネットは、PCの普及と通信企業とのプロバイダー契約が入り口になり、電気屋では『インターネット下さい』という人も多く、インターネットを理解してる人などほとんどいなかったということが、今なら分かる。
最近言われるweb3.0の原型がweb1.0とするならば、この時代のことで、インターネットの入り口は検索エンジンで、今やメジャーなGoogleはまだ存在せず、yahooがメジャーな入り口だった。
すぐに、検索エンジン競争が起き始め、検索エンジンが違うと、同じキーワードで検索しても検索結果に違いがあることなども認知されるようになると同時に、気が利いてる人や企業がホームページを持つことが流行った、90年代半ばからの10年間ほど。
その後の10年がweb2.0になるのだろうが、この時期にはスマホの登場もあり、ホームページの時代からアプリの時代へとシフトし、アプリが入り口になると、無限の中から検索によって欲しいものを探していたのに対して、最初から欲しいものを決めて指名するような形になっていった。
見るだけや読むだけだったインターネットの世界は、自ら参加し発信することが簡単になり始め、インプットからアウトプットへとシフトしていった。
コミュニケーションもリアクションから始まり、主義主張のアピールへとアウトプットも様相を変えていった。
ニュース情報系のアプリが、良く言えばコンシェルジュのような役割を果たすようになり、悪く言えば情報にフィルターを掛け情報のプロパガンダ化が行いやすくなった。
フェイクや嘘が増えたと言われるが、そもそも情報とは発信者の意思や意図が、悪意の有無に関わらず、色となって付いてしまうのだ。
ざっくりとこのようなプロセスを経て、中央集権的なものに対抗するかのように分散的に発展をしてきたのがインターネットの世界だが、これはあくまでも一見であって、実際の主役は目に見えないサーバーが主役になっていたのだ。
マーク・ザッカーバーグがFacebookの社名をMetaに変え、メタバースで復権を図ろうとしてることを含めて、イーロン・マスクはネット界隈で盛り上がるメタバースやweb3.0の動きを、『それってテクノロジーで時代をリードするのという話ではなくマーケティングの話だよね』とバカにしている。
つまり、ネット界隈では順調に伸びてきたweb2.0が行き詰まり、勝ち組プレイヤーが確定し、その地位が不動になったことに揺さぶりをかけようとしてるのだ。
分散型ゆえに発達したかに見えたインターネットビジネスは、サーバー中心に見ると従来通りの中央集権的な存在になっていて、最初はGoogleのサーバーにアクセスし、その後目的のサーバーを渡り歩くのだが、そのサーバーは上位と下位の縦の構図で位置付けられている。
使ってる人の多くはそのことを意識しないが、そのサーバーの階層の序列がある限り、下位に甘んじなければいけないネットビジネスプレイヤーはそこから抜け出すのに躍起になるのだ。
そんな階層構造を本当の分散化に変えたいという動きが、web3.0でありメタバースでありブロックチェーンなのだが、今これらに飛びついているのは投資の世界で儲けのネタとしての注目なのだ。
だからこそまだまだ胡散臭い。
メタバースやVRの界隈では大注目のoculusがコケてるというツイートがあった。
メタヴァースは現代史上最大の不発弾かもしれない。ゴールドマンが試算したOculusの売上は悲惨なものに pic.twitter.com/c9WRdQpV4k
— zerohedge jpn (@zerohedgejpn) 2021年12月21日
投資の世界には逆張りという王道戦略があることが悩ましい。