かつて『ググれカス』という表現があった。
ちょっと調べれば分かること、検索するだけで分かることを、しようとしない人をdisった表現。
しかし、いつの頃からかネット上には嘘や間違いも増えたので、検索して調べることは一定以上のリテラシーが備わってないならばむしろしない方が良いとすら言われるようになった、そのことを『ググるカス』と呼ぶ表現も広まった。
その一方で、本当に心配や悩みを抱えて誰にも相談できず、あるいはリアルな知り合いのことばが信じられない人は、本音を吐露できるのは検索だけだとすら言われるようになった。
そういう意味では検索は、人の本音を計測できるという側面は依然として強いかもしれない。
この2年はコロナ禍で不景気が当たり前になったように感じてるが、その前から不景気だとは言われていた、日本に限った話だが。
だからこそ起爆剤として東京オリンピックが期待されていた。
その東京オリンピックの直前で発生したコロナで東京オリンピックの経済効果は中途半端なもので終わった。
世の中には、腹の底では当てが外れた人が多かったはずだが、そのような本音は検索ワードで感じられるかを探ってみた。
2004年以降検索可能なGoogleTrendsで不景気の動きを見ると、
ピークは2008年12月。
2008年と言うとリーマンショックの年。
リーマンショックも加えて比較すると、
日本では、不景気と検索した人と、リーマンショックと検索した人の動きは多少重なってはいるが一致してないことが分かる。
(2020年3月の突出した反応も気になるがそれは後述。)
この時期に何があったのかを調べると11月にアメリカでオバマ大統領が当選していた。
『不景気』というキーワードだから日本人の反応だと断言して構わないはずだが、オバマ大統領誕生と関係してるのだろうか。
さて、2020年3月にリーマンショックが突出した反応を示してるのは検索するとすぐに分かった。
急速に世界に広まったコロナウイルスが世界経済に及ぼすダメージはリーマンショック級だとしきりに報じられ始めたのが2020年3月だったのだ。
『リーマンショック』って何だっけと検索した人が多かったのだろう。
2008年9月に発生したリーマンショック以降、検索としては不景気を越えるレベルを常に維持しているのがリーマンショック。
普通だったらあっという間に検索されなくなるはずなのに。
この12年ほどは景気を牽引したのは投資で、どんなに儲かっているように見えても、常に突然の破綻というリスクと紙一重だという事実が検索に垣間見えたということではないだろうかと感じてる。
投資をする人の心の合言葉がリーマンショックなのかもしれない。
投資の最前線にいる人が、そんなことするわけもないし、そんな暇だってなさそうに思えるが、売れっ子の長有名人が忙しい合間を縫ってしきりにエゴサーチする心理と同じだったら、あり得るのだ。
大雑把に10年周期と言われてる不景気の波だが、リーマンショックの次はまだ来てないとの指摘もあり、コロナ禍は該当してないとする声も多い。
深い意味があってというよりも、暇つぶしで書き始めた今日の話題だが、投資の世界ではリーマンショックの次が秒読み段階に入ったと考えてる人がちらほら見えてくる。
リーマンショック以降、投資家は常に次のリーマンショックの予兆にアンテナを張っていることが、不景気というワードを検索していて気づけたのはおもしろい発見だった。
検索は楽しめる暇つぶしだ!