昭和の子供だったら、休みの日に家でゴロゴロしてると『外で遊んできなさい』とよく言われたものだ。
遊んできなさいと言われると、『ラッキー』とは思わない。
遊んでる時に『勉強しなさい』と言われるのと同じ気持ちになる。
『〇〇しなさい』と言われた時の定番の返答が、『今やろうと思ってたのに、言われたらやる気出ない』、と言うものだった。
現代の子供だって同じだろう。
これは大人になっても同じだ。
『〇〇しなさい』には、人のやる気を失くさせる魔力があるのだ。
多くの場合、やりなさいと言われる〇〇は、やった方が良いことは頭では理解できるということが厄介でもある。
しなさいと言われることを自発的に積極的にやりたくなれば万事解決するが、そのために手っ取り早い方法が『褒められること』。
褒められたいと思う気持ちが強いと、やると褒められることを進んでやるようになる。
なるほど!、教育方針として『褒めて伸ばす』が存在するのがよく分かる。
一方、アドラー心理学では褒めることには弊害があると説く。
褒める褒められるの関係は、どのような人間関係であっても無意識の上下関係や主従関係や依存関係の上に成り立つ可能性が高いからと。
また、『褒められること=対価を求めること』になることもマイナスだと指摘する。
現代流の褒められることとは、ひと言で言うと『結果を出すこと』。
ビジネス書や自己啓発本や時には健康に関しても、自己肯定感を保つことが大事だと説くが、これらは表現こそ違え褒められることを良しとする方向に誘導する。
正しい間違ってる、あるいは良い悪いということではなく、自然とそういう方向に向かいがちだということは知っておいた方が良い。
ついでに知っておいた方が良いのは、褒められたがるのがかわいいのは子供だけだということもだ。