世の中にはどっちが先なのか分からないことが多い。
例えば、病気の発生が先で後から病名が付くのか、それとも病名を先に命名したことでその症状を訴える人が増えるのかなど。
昔は病気や症状が先だったと思われるが、現在では病名の命名が先の病気が増えてるように感じられる。
その症状や現象を示す言葉があるかないかで、コミュニケーションとしての伝わりやすさが大違いということは多いはず。
ブームというと、それなりの一定数によって構成されてるはず。
日常生活の中ではマイナーな存在でも、イベントなどで一堂に会すると世間で話題になるほどの大人数が集まり、ブームとして認識されたりする。
それなりの数を背景に成立するのがブームだが、たった一人でもブームとして成立可能にしたのがマイブームという言葉の誕生によってだ。
Wikipediaによると、マイブームという和製英語の登場は1994年に漫画家のみうらじゅんさんがタモリさんの『笑っていいとも!』に出演した際のタモリさんとの会話の中でらしい。
そして1997年に新語流行語大賞を取るに至っている。
そんな経緯を今頃知るくらいすっかり社会に定着している。
このマイブームという言葉があることは、マイナーな存在であることに免罪符を与えるだけでなく、むしろ熱い自分語りができることで誇らしさすら漂うほどだ。
他人からは理解してもらえそうにない趣味を持つことになんの引け目を感じる必要もなくなった。
みうらじゅんさんが定義するマイブームとしてWikipediaには次のようなことが書いてある。
「自分だけのブームだけで終わらせず他人に広めること」
なるほど、SNSを始めとしたネット社会のコンテンツはマイブーム発表会だと考えると納得できる。