『線状降水帯に注意を』と言うと、関係するのは九州や西日本のイメージがある。
一般的には湿気を大量に含んだ空気は西側から日本列島に侵入してくることが多いからだ。
そんな線状降水帯による大雨が東北や北陸で起きている。
大雪に関しては豊富な経験があるはずなのに、大雨となると不慣れな感じが報道を通じて感じられる。
別に慣れてれば防げるわけではないので大した違いはないのだが…。
今や、何か災害の発生が予想されたり、既に発生してるかもしれない場合に、テレビやラジオや各種の伝達のアナウンスでは『命を守る行動を』と呼びかける。
今にして思うと『命を守る行動を』の安売りが始まったのはコロナ禍でだと感じる。
自治体が運営する本来は呑気な公共の場所ですら、例えば図書館などでも、『命を守る行動を』とアナウンスされるのを何度も聞いた。
コロナ禍が長引くと、『命を守る行動を』と呼びかけるアナウンスもただのルーティンワーク化してることが、声の感じから伝わり聞いてるこちらが少し恥ずかしくなることすらある。
イソップ童話の『オオカミが出たぞ!』のようだ。
GoogleTrendsで確認すると、2019年10月の台風19号で関東地方が被災した時がピークだと分かる。
※『命を守る行動を』で検索するとデータが出ないので『命を守る行動』で検索。
多摩川近くのタワマンが被災するなどしたこともあり『命を守る行動を』が自分事として感じた人が多かったのだろう。
『命を守る行動を』には、自分事としてという場合と、他人事としてという場合があるのは容易にわかるのだが、何度も何度も聞くと(聞かされると)、『ちゃんと警告したからね』という免罪符として使われてるだけなんだろうなというのが実態だろうなとしか感じなくなる。
さらに言うと、ちゃんと警告したから『後は自己責任でヨロシク』という本来の意味が透けてくるようだ。
もっとも、自分や身内の命を自分で守ることが自己責任なのは当然以外の何者でもないのだが。