新しいものを買った場合、その良さを実感できると満足度は高いが、そんな満足度の持続時間は案外短い。
良いものの良さにはあっという間に慣れてしまい、それが当たり前になるからだ。
住環境や人間関係を含めた広い意味での環境もこれに似ている。
良さを実感することが少ないからといって良くないわけではなく、むしろ最高の環境にいてもこのような感じ方をするはずだ。
そして、『ああ、あの環境は最高だったんだな』と思うのは、その環境を失った後だ。
もっと大事にするべきだったと反省したり、諦めの思いで懐かしさを感じたりすることは人生には少なくないかもしれない。
そんな最高だったはずの環境を失うきっかけになるのが、『もっと良い環境があるはずだ』や『自分にはもっとふさわしい環境があるはずだ』などと欲張ってしまうことだ。
一方で、そんな環境さっさと手放した方が良いと外野にいる誰からも指摘されるのに、当人は『自分は最高の環境にいるから他人から妬まれる』と思い込むようなケースも珍しくない。
そういう種類の人は、外野の人からは次のように言われる。
- 洗脳されてる
- 囲い込まれてる
- 意地になってる・ムキになってる・バカ
情報を外に求めすぎると、自分の価値観を見失いやすくなる。
だからと言って井の中の蛙になっても良くない。
情報は外に求めても、その良し悪しの判断は自分の中で行い、それが出来た後で行動を起こす。
この順番は間違ってはいけないし、この順番に従えば自ずと行動を起こすまでには時間が掛かる。
即断即決は度が過ぎると良いことは一つもない。
日本の企業は「持ち帰って相談」ばかり…ドバイの経営者が「韓国や中国のほうがやりやすい」と話すワケ ドバイに来るのは、日本は課長、韓国はトップ
「日本企業は、製品に自信がありすぎるのか、マーケティングというものをしない。私のところに、英米仏独中韓の企業が軒並みやってきては、売り込みをしたり雑談をする。ランチにも行って自然に親しくなり、私もその企業の情報を得る。でも日本の企業は一度も来たことがない。入札のときに1000ページもの書類をどんと届けるだけ。ふだんの地道な営業努力を、日本だけ知らないようだ」
記事を読むと、
即断即決が苦手な日本人が最も苦手なのは、事前にプランA、プランB、プランC、…を想定しそれぞれに対策を検討した上で場に臨むことだと分かる。
そのためには事前の情報収集が問われる。
海外の交渉相手が回答を求めるために設定した場に、情報収集のつもりで出かけるのが日本人
手ぶらで出かけて即断即決を求められてあたふたすることと、即断即決に備えての事前の綿密な準備ができないということは全く土俵が違う話。
即断即決が苦手な日本人とよく言われるが、本当に苦手なのは事前にあらゆることを想定して準備すること。
そうなる理由としては、あれこれ考えることが苦手だからとしか思えない。
あれこれ考えることにコストやエネルギーは掛けられないというのは、研究開発にコストを掛けたがらないことと共通する。
生産性とか効率などというワードを好む者ほどこういう傾向は強い。
事前の調査や研究開発はしたくないが、結果だけは人一倍求めたがる、そういう人はプロセスを評価できないから段階を経てステップアップすることができない。
日本は世界各国から一気に追い抜かれたのではなく、段階を経て着実に抜かれたのだ。
亀をバカにしていたウサギに似てるのが日本だが、亀が川や海を泳いで向こう側に行ってしまったらうさぎにはもうどうしようもない。
そんなバカなウサギは今、国葬で世界の要人を招いて一発大逆転を画策している。