違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『独身の日』で占う中国

特に中国のことに興味や関心もないのだが、世界的なヒットを狙うなら中国での売れ行きが重要なのは当然だ、くらいのことは理解できる。

 

先日、売れ行きが芳しくないと評判のiPhone14の未来は来たる11月の中国の独身の日(中国名:光棍節 爆買いで有名)次第かもしれないと書いた。

 

Apple関連の情報サイトには昨年の独身の日では3秒で1億元分のiPhoneが売れたらしい、と書いてあった。

 

 

そんなことを書いたからだろうか、中国の話題が妙にアンテナに引っかかり出した。

 

人口が圧倒的に多いことは誰もが知っていて、それに加えてコロナ禍を除けばコンスタントに高いレベルでの経済成長率を持続させたことで、そのことが圧倒的な購買力になっている。

 

世界的にヒットさせたければ、中国で売れなければ実現できないのだ。

 

 

一方で、少なくとも日本人の目から見ると、政治的には中国は北朝鮮やロシアに近い、話しても分かり合えなさそうなイメージがあるが、国内で起きてることには日本と共通点が多い。

 

人口爆発を防ぐために採られた一人っ子政策は、少子化が問題化したことで停止されたが、少子化には歯止めがかかっていない。

 

少子化につながってる最大の要因が婚姻の減少と離婚の増加で、どちらも率で表すと日本を下回っている。

 

婚姻は2010年を100とすると、日本はコンスタントに減り続け2020年には75に、中国は2013年の110をピークに下がり始め2020年は68へと推移してる。

 

日本では3組に1組が離婚するというペースだが、中国では2組に1組のペース。

 

 

結果的に独身が多いからこその独身の日なのだが、決して若者を意味するものではなく、大学卒業者の失業率の高さが問題になるくらいなので、対象年齢不詳のイベントなのだ。

 

始まりは1990年台らしいが正確には不明。

 

完全に定着して統計データなどが出るようになったのはネット通販の普及後となりそうだ。

 

ウィキペディアに載っていたアリババでの独身の日の売り上げの推移は、

 

  • 2009年:0.52億元
  • 2010年:9.36億元
  • 2011年:33.6億元
  • 2012年:191億元
  • 2013年:350億元
  • 2014年:571億元
  • 2015年:912億元
  • 2016年:1207億元
  • 2017年:1682億元
  • 2018年:2135億元
  • 2019年:2684億元
  • 2020年:4982億元

 

 

では、どんなものが売れたのか?

 

2020年の年明け、中国ではコロナが深刻化し始めた頃に2019年のデータをまとめたものが記事になっていた。

 

 

https://netshop.impress.co.jp/node/7042

 

 

 

デジタル家電がトップになったのは2019年が初らしく、それまではアパレルがトップだったらしい。

 

内訳は不明だが、2020年は2019年比185%、2021年は2020年比108%。

 

2021年の伸びを落ち込みと捉える声もあるので、今年の11月は中国の現実を知る上で注目されるのだ。

 

 

11月11日の独身の日に中国が大盛り上がりしてるかどうかは、世界の景気にも影響を及ぼす可能性が高いので、傍観者として意識高く注目するだけでも楽しめるかもしれない。