人は価値のあるものを安く手に入れたいと思うもの。
そのためには価値を見抜く目利き力が要求される。
安く入手するためには幅広い相場感覚が必要になる。
この二つを高いレベルで両立することは案外難しい。
それは、この二つが容易にトレードオフの関係になり得るからだ。
そんなことに気付かせてくれたのが以下のツイート。
このツイートは最後で、ここに至る長い連ツイで構成されてるが、いろいろな事例を教えてくれている。
卸機能を排除し、「中抜き」ばかりしたことが、目利き機能を衰えさせたのかもしれない。それよりは「目利き」を再評価し、頑張る生産者には価格で報い、小売店も自信を持って品質で勝負する商品を妥当な価格で売ることが必要。そのためには、「目利き」機能の復活が重要であるように思う。
— shinshinohara (@ShinShinohara) 2022年10月19日
これまで私の頭の片隅には常に『安いものには理由があり、高いものには理由はない』というのがあった。
安いものの理由をきちんと理解できれば、その延長線上に目利きが自然と備わると思っていた。
大筋で間違ってるとは思ってないが、経験上これだけでは不十分だなと感じることもあった。
安いものの理由を理解しようとする際に、接してる情報や比較検討する内容がそう大したものではないことがほとんどだからだ。
幅広く深く関連してることを理解できてるわけではないことは明らかだが、その不足をブランドに対するイメージやレビューの傾向などで補ってるつもりだったが、それって曖昧さを解消したいのに曖昧さの重ね塗りをしてることに近かったのかもしれない。
私のようなやり方でもハズレを引かないことや嘘情報を見抜く目利き力は養われ十分役に立つのだが、差別化で優位に立てることにつながるようなものではない。
自意識過剰で賢いつもりだが実はただの平凡な日本人の典型なのかもしれない。
昭和の後半の日本は一億総中流という時代だったが、現代日本は一億総コスパ意識過剰な凡人なのかもしれない。
凡人にはありそうでないのが目利き力で、持ってるつもりなのに持ってないのが目利き力、だから凡人にとどまるのだ。
じゃあ、どうすれば目利き力を高められるのか?
現状の自分を否定するのではなく、足りないのだと知るべきなのだろう。
目利きの有り様は決して一つでもなければ限定されるものでもない。
専門領域の分散化が分業を促進し、トータルで見ればこそ養われていた目利き力を消してるということもあるだろう。
目利き力が失われる傾向が強いことは、政治家と選挙民の関係を見てると、老若男女に当てはまることだとも気付く。
おもしろいツイートがあった。
このツイートを読んだら、目利き力は『目利き力X目利き力』という掛け算で機能するのだと感じられた。
知名度0。実績0。お金も、人脈もない町工場の、完全に無名のブランドに目をつけて「1度、ウチで販売してみませんか?」と声をかけてくれたのは、阪急メンズ大阪のバイヤーさん。「なぜ弊社に?」と聞くと「直感」と。あれから4年。この”ご縁”は僕らにとって、人生を変えるほど大きすぎる1歩でした
— しゃく (@shakunone) 2022年10月18日
目利き力という観点を持っていなければ、偶然とか運で片付けたかもしれないが、目利き力の相乗効果だとすると偶然ではなく必然に近くなる。