違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

皮肉な現実

対義関係にある表現や諺には学ぶことが多い。

 

「金持ち喧嘩せず」、「貧すれば鈍する」という諺は互いに対義関係にある(と言われる)。

 

ざっと検索する程度だと、いつ頃生まれた表現なのかはよく分からなかったが、現代では「金持ち」や「貧」の部分はむしろ「足るを知るか知らないか」で考えた方が分かりやすそうだ。

 

 

足るを知ると、満足や納得が得られる。

 

満足や納得が得られると、攻撃的にはならないので喧嘩はしない。

 

 

問題は、満足や納得を得るために、何が満たされると良いのかだ。

 

 

金持ちであろうと貧乏であろうと、「足るを知る」気持ちを持ってる人は身の丈(=自分の環境)に合ったことしかしないし、身の丈が変化すれば変化の度合いに応じて振る舞いを変え「足る」を得ようとする。

 

その場合、満足や納得の基準は自分の内側に存在している。

 

 

 

一方で、金持ちであろうと貧乏であろうと「足るを知れない」人は、常に不足や不満を訴えるから攻撃的になり、その攻撃の矛先は自分の周りに及ぶことが多いが、時には自分自身に向かうことも少なくない、結果ますます攻撃的になる、つまり喧嘩ばかりするようになる。

 

良く言えば、目標や理想が高いとなるが、その目標や理想は自分自身の内側から生まれたものというよりも、周りの人や世間を意識してのものであることが多い。

 

つまり、他人の価値観を基準にすることになるので、時には自分がどこに向かっているのか理解しないまま、あるいは本当にしたいことではない方向に、突き進むことすらあるはず、その結果がたまたま賞賛が得られるようなことならば満足や納得は得られるが、次にどこに向かうかとなると、また目標や目的が自分の内側にはないので、世間からお題を抽出しようと攻撃的にならざるを得なくなる。

 

 

 

足るを知るために何が必要かは、おそらく誰もが頭の片隅では知ってるはず。

 

「足るを知る」ことをアピールする曲だってあるのだから。

 

『No.1にならなくてもいい、もともと特別なOnly one』という歌詞がヒットしたのは20年前で今でもカラオケの人気曲。

 

 

「そうだ、Only oneがあった!」と誰でも思うだろうが、厳しい現実が立ちはだかっていることを再認識するような話に出会した。

 

 

 

さらに検索してると2001年に前人未到の世界選手権で5連覇をした柔道女子の田村亮子(現在は谷亮子)さんがこんなことを言ってたらしい。

 

「今まではただのNo.1だったが、やっとOnly oneになれた」と。

 

 

誰でもなれるはずのOnly oneは、No.1のさらに上に存在しているというのはなんとも皮肉な現実で、寒さが一層凍えた身体に堪えそうだ。