最新の日経ビジネス誌で『メタバース幻滅の先に』と銘打った特集をしていた。
鳴り物入りで期待や注目を浴びて大きな話題になっていたメタバースだが、今や枕詞が幻滅になったことには感慨があった。
メタバースを支えたり裏付けとなるテクノロジーや技術は着実に進歩を遂げているはずなのに全体としては幻滅と評価されているのだ。
しかし、特集記事では幻滅の先にと書いてるくらいだから、まだ途中であり失敗して清算というわけではないのだ。
そんなことを思っていると、失敗のニュースが流れて来た。
H3失敗してて草。航空機もロクに開発できないしもう終わりだよこの国
— 陸将 (@GeeGaku) 2023年3月7日
撤退ではなく転進のように失敗ではなく中止と言い訳するんか?#nhk pic.twitter.com/FqqWG1Dpe8
ホリエモンもTwitterで『今回のは失敗だ』と書いていた。
この話には伏線があったことは多くの人の記憶に新しいはず。
2月17日にも打ち上げが中止されていたのだが、一人の記者がJAXAの責任者に『それを失敗と言うんだ』と捨て台詞を吐いたことが話題になっていた。
この時は、ホリエモンをはじめ多くの人が『これは失敗ではない、日を改めて打ち上げれば良いだけ』と発言し、捨て台詞を吐いた記者が吊るし上げ状態になっていた。
これを踏まえての今回の打ち上げだったが、今回は誰もが失敗と認めざるを得ない結果に終わった。
幻滅にしても失敗にしても、どちらも言われたら良い気はしないが、こうやって比べると幻滅される方がまだマシに思えてくる。
それは、大逆転の可能性を否定されてるわけではないから。
それに対して失敗は、永遠に残るデジタルタトゥととても似ている。
つまり烙印となり、今後成功してもずっと付き纏う背後霊のようになりそうだし、再チャレンジに対する反対意見すら増えかねない。
そもそも日本がロケット飛ばす必要があるのかと、蓮舫さんの2位じゃダメなんですかを思い出す。
そして、この理屈は現代に生きるすべての日本人にも適用されるはず。
だとすると、失敗は成功の母などと呑気なことは言ってられない。
失敗と幻滅を分つものは何だろうか?
少し考えて思い当たったのが、プランBやプランCが同時に存在できるかどうかにあるような気がした。
プランAしか持ち合わせてない状態で躓くとそれは失敗だが、プランBやプランCがあれば少しがっかりしても気持ちを切り替えられる。
これって俗に言う保険を掛けるとは全く別で、目標や目的に対して複数の選択肢やアプローチを描けてるということ。
幻滅や失敗の議論で中心を占めるのはほとんどが予算やコストに関してで、このことがプランBやプランCを考える余裕を奪うのだろう。
一つのプランで猪突猛進はやめた方が良さそう。
失敗が何度も許されるのは自分一人の胸の中だけなのだ。