重心は高い方が良いか、それとも低い方が良いか?
文字通りの問いだが、隠喩やメタファー的な解釈に拡大可能な場合も多そうだ。
高度なバランスや安定感を求める場合には重心が低い方が良いとされることが多い。
身のこなしとして重心を低く保つためには、軽く膝を曲げ腰を少し落とした姿勢が良いとされるが、その状態で自在に動き回るためには強い体幹が要求される。
一方で、タイムを競うような競技では重心の高さとへその位置の関係が走ることと泳ぐことでは逆に作用すると為末大さんが言っていた。
重心位置が3%違うとへその位置が高い選手(黒人)は走る速さが1,5%上昇し、へその位置が低い選手(白人)は泳ぐ速さが1,5%上昇することがわかった。#スポーツ遺伝子は勝者を決めるか pic.twitter.com/bj7Lo8qgLZ
— Dai Tamesue 爲末大 (@daijapan) 2022年4月3日
マラソンのような長距離を走る選手の身体は上下動が少なく見えるので重心は一定だと言えるだろう。
重心の高い低いは身長や脚の長さが関係してそうだが、世界記録のレベルの選手の身体を見ると日本人選手よりは重心は高そうに感じる。
100mのような短距離ではより一層顕著に世界記録のレベルだと重心が高いだけでなく、上下動も大きいので重心が絶えず変動してることが分かる。
WBCで大谷翔平やダルビッシュや佐々木朗希のように背も高く手足も長い投手の投球フォームにも共通してそうだ。
人間の場合、二足歩行という特徴ゆえの重心の使い方なのかもしれない。
猫や猫科の獣が獲物に近づき襲う際の動きは、低く身構え低重心のままで動くのは四足歩行だからできる身のこなしかもしれない。
スキー競技などを見てると脚は激しく動いていても身体の中心は全く動かないように見えるので重心は変動してなさそうに見えるが、実際には重心は変動しているし、選手はそれを実感してるらしいが、重心は低い位置にある。
その際の動きは両手にストックを持っていて擬似的な四足歩行な動きになっているのかもしれない。
自転車やオートバイのように手でハンドルを操り、足でペダルやステップを操るような場合は猫科の見のこなしのイメージが当てはまりそうに感じられる。
生き方にも重心の高い低いがあっても不思議はないような気がしてくる。