モノはいずれ壊れ、生き物は死ぬ、そして最後はただの分子や原子に還元される。
万物は無秩序に向かう、エントロピー増大の法則だ。
壊れるあるいは死ぬまでの間にはさまざまな維持管理や回復修復のプロセスがある。
このプロセスに於いては早期発見早期対策が重要だが、実際には遅れがちで悪い事態が起きそうな前兆を掴んでからあるいは起きた後での対処になる。
一連の対処では、悪い事態はなぜ起きたのかを探るというプロセスが必要になる、いわゆるトラブルシューティングだ。
トラブルシューティングの勘やセンスと実績の積み上げが豊富になると、生む前や作る前からトラブルに備えるという発想が身につく。
ノウハウや経験が不足してるが故に起きるトラブルと、トラブルが起きることが想定できているのにそれに対処しないことは、結果は同じでもプロセスはまるで違うし、その後も違ってくる。
そんなことを思ったのは蓮舫さんが東京都知事選に立候補したから。
勝負服の白が象徴するように蓮舫さんに期待されてるのは漂白剤としての役割だが、漂白剤自体は毒性も劇性も備えている。
蓮舫さんに期待されてるのは表面的には漂白剤的役割りだとしても、都知事になった後で実際に起きるのは破壊かもしれない。
破壊には快感が伴うことがある。
『自民党をぶっ壊す』と吠えて大衆から大人気を得て総理になった小泉純一郎はまさに破壊者だったし、そんな小泉純一郎が永田町の変人と呼ばれていた頃『変人の生みの親』を自称していた田中真紀子もまた破壊者だった。
この両者の共通点は大衆に快感を感じさせる力が強いという点。
たぶん、アメリカでトランプ氏が一定の人気を得てることと共通するはず。
破壊が起きると後に残るのは、
夏草や兵どもが夢の跡
寂しげだが悪くない。
すべては無秩序に向かうのだ。