人が他人を好きになったり嫌いになったりする理由として、考え方や価値観や行動が自分と似てるからあるいは自分と違うからというのがある。
同じ理由でも好意的に魅力的に感じられる人がいる一方でその正反対の場合もある。
自分と似てるあるいは違うと感じることの対象は、考え方や価値観や行動以外に境遇や生活環境もある、残酷な言い方をすると生きてる世界住んでる世界が同じか違うかでも好き嫌いが分かれる場合は少なくない。
似た者同士が集まってコミュニティを作りたがるのは自然なこと。
多様性というワードが一般的になり始めた頃は、一つのコミュニティの中に多様性が浸透するのかなと思っていたが、実際にはコミュニティが多種多様になり、それぞれのコミュニティは似た者同士で構成されるということが進んだだけに感じられる。
ただ表面上は価値観が相容れないコミュニティ同士でもハラスメントに見えることは避ける方が賢明だという考えは以前よりは浸透したのかなと感じるが、あくまでも表面上だけに感じられる。
なお一層進んだのは似た者同士で徒党を組みたがるという現象で、それは無自覚な排他を促進したということ。
知り合った時は似てるからという理由で仲良くなっていたことを、後に生活を取り巻く環境が変化したことで疎遠になってお互いにそのことに違和感を感じないような場合に、悟ることがある。
俗に言う住む世界が違うが故のすれ違いというやつだ。
一方で、登場人物が変わると、住む世界が違うからという理由で惹かれ合う場合もある、しかしそういうケースは減っているように感じられる。
昭和の頃の大学や会社というのは異文化との良き出会いの場だったような気がするが、現在の大学や会社での出会いは同種同質のものになってるような気がする。
似た者同士が同じコミュニティに集まるようになっているが、そのことを多様性と捉えているとすれば勘違いが進むだけだ。
似てると感じ共感し合えたような気になれたことが勘違いだったとしたら、その勘違いを解消したり清算する必要が生まれる。
人間関係が生じるあらゆる分野でそういうことが頻繁に起きているだろう、我慢することを強いられることがハラスメント扱いされるようになったのはそのためだ、世間的には多様性の時代だからを落とし所にしてるようだが、実際には多様性が受け容れられないからだ。
わたしの妄想のような思いに対してChatGPTはどのように反応するだろうかと質問したら、その現象は「ホモフィリー」(homophily)と呼ばれると答えてくれた。
初めて聞くワードだった。
ChatGPTによると、現代の「ホモフィリー」(homophily)は以下のような理由で進行すると答えた。
1. ソーシャルメディアのアルゴリズム:
ソーシャルメディアやインターネットのアルゴリズムは、ユーザーに似た価値観や興味を持つ人々やコンテンツを推薦するため、似た者同士が集まりやすくなります。
2. エコーチェンバー現象:
インターネット上で同じ意見や価値観を持つ人々が集まり、異なる意見を排除する「エコーチェンバー現象」が起こりやすくなります。これにより、コミュニティがさらに均質化します。
3. 心理的快適さ:
人々は、自分と似た価値観や信念を持つ人々と一緒にいると心理的に快適さを感じやすいため、似た者同士で集まりがちです。
4. 社会的アイデンティティ:
人々は、所属するグループを通じて自分のアイデンティティを確認するため、似た価値観やライフスタイルを共有するコミュニティに参加することが多いです。
多様化の裏や背後で「ホモフィリー」(homophily)も強く働いていることをお忘れなく。