1ヶ月前の特集記事が以下。
この記事の最後は価格戦略の多様化が始まるのではないだろうかと締めくくられている。
物価高でチケ代高騰 二極化する「推し活」事情 これでも日本はまだ安い?
博報堂が2024年2月に発表した調査(HAKUHODO & SIGNING「OSHINOMICS Report」2024.02)によると、各性別年代が均等になるように選んだ5万人のうち、「推しがいる」「推しがいると思う」と答えたのは34.6%。およそ3人に1人だ。 ひと口に「推し活」といっても、中身は多様だ。同調査によれば、実際に行っている行動で最も多いのは、「公式のグッズや商品を購入する」。次いで「公式のSNSアカウントをフォローする」「公式のYouTubeアカウントをフォローする」「出演しているテレビ番組やラジオを視聴する」となる。「推しはいるけど、お金は使わない」という層も一定数いる。
次のような記述もある。
中山さんの分析によれば、チケット代が1万円を超えると一見(いちげん)さんが来なくなる。そのコンテンツを好きな人が「布教」目的で友達を連れてくるということが行われにくくなるからだ。
しかしながら現状はというと次のような状況らしい。
「デフレのなかで金額を上げる怖さがあったのが、(資材高騰や円安などの)理由ができて初めて(チケット代を)上げられたということだと思います。で、思い切って上げてみたら、思った以上に客が離れていかなかった。今は、フィルインする(満席になる)うちはもっと上げてみようというモードですね」
このような状況はおそらく推し活だけではないだろう。
飲食店でもメニューの価格を据え置く店と上げる店に分かれてる。
テレビの飲食番組では、特にスイーツ系は見てるこちらとしては『うわ〜、こんな小さいのにこんなに高いんだ』としか思えないのに番組に出てる芸能人は『うわ〜、こんなに美味しいものがこんなに安いんだ』と言っていて『嘘を吐く商売
(番組で取り上げられたスイーツや嘘を吐く芸能人)も大変だな』としか思えないが、こういう商売の中には上記の推し活事情と同じで意外と頑張ってついてくるお客やファンを持っているものもまだ多いのかもしれない。
このようなお客やファンの限界がいつどういうタイミングで訪れるのだろうか?
おそらく本音でリーズナブルと思ってる人は少数派のはずだから。
台風10号のせいで交通機関が混乱に陥ったことで、無用の時間と出費に加えて心労まで背負わされた人が多かったかもしれない。
旅行や帰省も推し活のように思えないこともない。
好きだからやってること、あるいはしなければいけないと思ってやってることは全て推し活と言えないこともないなと思えてくる。
推し活に疑問を持たずに夢中なうちは全ては必要なことだと許容するが、夢中はいずれ冷静さに駆逐される。
ビジネスはどのような大義名分を掲げようと全て儲けのために展開される、つまりお客としての信者を必要とする。
夢中な人は信者になり、冷静さを取り戻すと信者ではいられなくなる。
夢中と冷静の仲介をするのが価格やコストだ。
許容範囲と思い頑張るか、許容範囲を超えてると思い頑張らないか。
価格戦略の多様化は合理性から生まれるように見えるが実は心理戦なのだ。