砂漠の多くはかつては広大な緑の地だった。
サハラ砂漠を例に取ると、5000年〜7000年掛けてその変化は起きたらしい。
最初のきっかけは地球の軌道のわずかな変化に伴う気象の変化からでそれに伴う人間活動の変化なども重なり砂漠化が進んだらしいが、人の一生に比べると遥かに長い時間を掛けての変化だった。
キーワードになるのは水の循環の変化だろう。
水は、水としてだけでなく氷や雪や水蒸気としても存在している。
宇宙に流失する水が無いとすれば、地球上の水の総量は今も昔もほぼ同じかもしれない。
海水以外には湖やダムや池や川、標高の高い場所では雪や氷や氷河、その他に地下水や氷山など様々な形で存在してるが、自由自在に移動できるのは大気中の水蒸気だけだ。
そんな水蒸気の移動が予想や予測を超えるようになったのが現代だ。
サハラ砂漠を誕生させた変化の時間軸の100倍のスピードで変化が起きている。
気象の専門家が1000年に一度100年に一度、一生に一回あるかないか、と表現した現象はもはや地球規模ではどこかで起きてる珍しくない現象になってしまった。
いつの時代でも生き続けることは困難だと言われるが、困難が意味する内容は幅が広い。
単純明快な価値基準を当てはめようとすることに無理を感じることが少なくない。
知らなければ心穏やかでいられるが、知ってしまうと無邪気ではいられない出来事が多い。
現象を説明することは人間にできるが、現象をコントロールできるかはケースバイケースで規模次第だろう。
現象をコントロールできるという思いは投資を促進するが、それが上手く行かないという話が増えてるような気がするのは決して気のせいではないはずだ。