人間の思考や行動の最初は何事も無の状態か、余計な知識が無いまっさらな状態から始まる。
生まれたばかりの赤ちゃんや成長してもせいぜい幼児くらいまでを想像すると容易に分かることだ。
しかし、その時期を過ぎると個人差が非常に大きくなる。
入手する知識の質も量もその範囲も格差は拡大する一方になる。
ここでいう格差とは世間一般で使われる所得の格差のようなものではなく、得た知識がどのように脳に刻まれるかという意味でのものだ。
最初に覚えた知識は特別で、その脳への定着は強固なのでアンカリングと呼ばれる。
※アンカリングとはアンカー(船の錨)に由来しそこから動けなくなるという意味
あえて意識的な取り組みをしなければアンカリングされた知識は一生モノになる、まさに三つ子の魂百までとなる。
アンカリングした知識が時の流れを超えて普遍性を持ってれば何も問題ないが、日進月歩に晒される知識であれば絶えず上書き保存が必要になるし、上書き情報があるか無いかに常にアンテナを張る必要がある。
もし、得た知識がウソやフェイクだったら格差はますます拡大する。
アンカリングは何歳になっても起きるので、日進月歩の時代では大人も絶えず初めての知識を入手するのでアンカリングされる知識は増える一方になる。
もし、自分の知識に疑問を持たないまま年月を経ると、その知識は脳内で様々な直接は関連しない別の知識とも結び付くし、人によってはアイデンティティにまで影響を及ぼす。
だからだが大人になると、アンカリングした知識は呪縛と紙一重になり、その上書きや修正は容易ではなくなる。
思考や思い込みの偏りはバイアスと呼ばれるが、バイアスの多くはアンカリングが生み出すのだ。
アンカリングの度合いが深いほどそのこだわりはポリシーめいたものになることは容易に想像がつく。
頑固さが悪い意味になる場合には関係してることが多いはず。
また、アンカリングは思考や判断の癖にもつながるので先入観や第一印象にも影響を及ぼしてるはず。
運を呼び込もうと厄除けやお祓いをするよりも、アンカリングしてる悪い知識を断捨離する方がはるかに効果があるような気がする。