今でも大きな書店に行くと自己啓発というジャンルの棚がある。
主としてビジネスに関する分野の一部として。
その目的を箇条書きで記すと、
・出世のため
・部下や上司とのコミュニケーション
・企画力やプレゼンテーション力向上
などなど、さらに以前だったら人脈づくりなんていうのも自己啓発と括られていた。
しかし、現代ではこれらの自己啓発は時代遅れになった。
欧米の高名で有能な経営者が禅の教えを取り入れていると言われた頃から、自己啓発というジャンルには精神性が大事だとされるようになった。
精神性への着目は心と身体の一体感ある安定性を求めるように向かい、従来の自己啓発というジャンルとは趣を異にするようになり始めた。
心理学はビジネスとも相性は良かったので自己啓発と心理学も密接だったが、心と身体の安定が求められるようになるとこの分野も心理学との相性の良さが見えてきた。
スマートウォッチの普及で個人的な健康データの取得が容易になったのもその影響を受けてだろう。
しかし、データに振り回されることの心への悪影響という問題も無視できなくなっている。
自己啓発へ精神性が入ったことで心と身体が着目されるようになり、その結果と言えそうなのがアートやカルチャーを個人として楽しむという分野だ。
最も効果的にその分野を嗜んでる人は他人との比較に一喜一憂することから離れ、あくまでも自分の目標と向き合うことで心と身体の安定を図るようになっている。
自己啓発の分野は今では二極化し、一方では旧態依然としてるが、新しい分野は自己啓発などとは呼ばれずに広まっている。