不倫を正当化する場合に当事者が使いがちなのが『割り切った大人の関係です』なんていう表現。
割り切るというのは、広い意味で矛盾の関係にある複数の選択をすべて手に入れたいあるいはどれも諦められないと思う時に詭弁的に使われる。
『割り切る』に似た表現に『開き直る』がある。
ChatGPTに聞くと、『割り切る』は理性による冷静な対処で、『開き直る』は感情的な自己解放、という違いがあると答えてくれた。
どちらにしても苦し紛れであるが、矛盾に直面した時のオーソドックスな言い訳的な対処法だ。
しかしそんな矛盾の中には、時間と知恵と技術が加わると両立が可能になる場合がある。
そのようなプロセスを経て矛盾が両立可能になった場合、それは『止揚』と呼ばれる、ドイツ語のアウフヘーベンで記憶してる人もいるはず。
一見矛盾する要素を割り切ったり開き直ったりしたくない場合に人が取る方法が『包含』や『統合』。
対立するから矛盾するのにそれをどうやって包含したり統合するのか。
イメージしやすいのが振り子のような動きだ。
自然と矛盾する双方を行ったり来たりするようなシステムが必要になる。
振り子よりも循環的な動きをイメージする方がより良いかもしれない。
循環的であれば矛盾要素が複数あってもカバーできそうに感じられる。
現代社会にネガティブな話題が多いということは、割り切れない矛盾や開き直れない矛盾が顕在化してるからとすれば、何らかの次の動きが始まってもおかしくない状況と言えそうだ。
新しい動きがあるとすれば止揚的なアウフヘーベン的なものになると願いたい。
そう願えてるうちはそんなに悪くない。