『日本人は不器用』と言われるような場合の不器用さは生き方だ。
一方『アメリカ人は不器用』と言われる場合の不器用さは手先だ。
ふと、昔日本人は手先が器用だがアメリカ人は不器用だと言われていたなと思い出した。
昔は手先が器用な日本人はたくさんいたことを何となく記憶してるが、現代の日本人が手先が器用かと問われれば、平均的には圧倒的に手先は不器用と言えるだろう。
とにかく自分に関することや自分の身近なことであっても手先を活かして工夫しようとする人は少数派になったような気がする。
そんな器用ではない人に共通してるのは、自分で手先を使って解決しないことに対して複数の言い訳が出ることだ。
そんな言い訳は、合理的な考えに基づく賢明な判断だとすら思っているが、実際には失敗を恐れたりチャレンジ精神に欠けているだけというのが見え見えだ。
専門家に任せず自分でやることが日曜大工からDIY(Do It Yourself)と呼ぶことにシフトしたことを考えると、日本の独自文化が縮小し輸入された文化に置き換わっていると言えそうだ。
自分の手先を活かして問題を解決するという作業は繰り返すから上達するが、上達したらやろうと思ってる人は決して始めることが無いだけになる。
冒頭に戻ると、私が聞いたことがある『日本人は器用だがアメリカ人は不器用』というのは何だったのだろうかとChatGPTに聞くと次のように答えた。
1. 労働環境と職人文化の違い
40〜50年前(1970〜80年代)は、日本が高度経済成長を経て「ものづくり大国」としての地位を確立した時代です。この時期、日本の精密機械産業(自動車、電子機器など)が世界的に高い評価を受け、「日本人は手先が器用」「日本の技術は細かい作業に優れている」というイメージが形成されました。
一方、アメリカは大量生産・効率重視の産業文化が根付いており、職人技よりも機械化・システム化が進んでいました。日本と比べて「手作業で精密なものを作る機会が少ない」と見なされ、それが「アメリカ人は手先が不器用」というイメージにつながった可能性があります。
2. 教育方針の違い
日本の教育では、図工や技術家庭科などの実技科目が比較的重視されてきました。一方、アメリカの教育は創造性や論理的思考を重視する傾向が強く、細かい手作業を伴う教育はあまり重要視されてこなかったとされています。この違いが「アメリカ人は細かい作業が苦手=手先が不器用」という印象につながったのかもしれません。
3. アメリカの生活スタイル
アメリカはDIY文化が発達している一方で、細かい修理や作業を専門の業者に依頼することも多い国です。日本のように、一般家庭で細かい作業(例:箸を使う習慣、裁縫、折り紙など)をする機会が少ないことが、「手先の器用さ」に関する誤解を生んだ可能性があります。
4. 偏見やステレオタイプの影響
1970〜80年代は、日本が経済的にアメリカを追い越すのではないかと言われた時期でもあります。こうした時代背景の中で、日本人が「技術力の高さ」を強調し、「アメリカ人は大雑把で手先が不器用」と対比するような言説が生まれたのかもしれません。
余談だが、日本人のDIY人口は2018年の推定では1400万人で人口の11%らしい、それに対しアメリカでは家を所有してる人の75%がDIYしていて、成人の56%が今後3か月以内に何らかのDIYを計画してると言われているらしい。
たぶん手先の器用さとDIYへの意欲は大きく関係してると思う。
日本人の生き方が不器用になるのは手先が不器用だからかもしれない。