『〇〇するから代わりに△△して』という持ちかけやその合意は俗にバーターと呼ばれる。
異業種交流会や各種の勉強会に積極的に参加していた頃を思い出した、改めて具体的にいつ頃だったかを思い出すとずいぶん昔だった、月日が流れるのは早いものだ。
その頃のキーワードは人脈作りだった。
しかし集まるのは同じ穴の狢ばかりでもあった。
ざっくり言うと、皆売りたいものを抱えていた人々だ。
別の言い方をすると、そこに集う老若男女全員が会社も商品も異なる営業パーソンだったのだ。
そこで繰り広げられるのがバーターだ。
得と損を天秤に掛けながらも、少々の損をしても挙績が上がることで社内での居心地の良さが得られるなら妥協のハードルも下がり気味になる、誰もが抱えてる事情は似たり寄ったりだったし、中には上場企業の管理職や霞ヶ関の官僚でネットワークビジネスにハマってるような人も少なくなかった。
昔のバーターは売りたいものを抱えた者同士のシンプルな『ギブ&ギブ』で、自分の仕事や業務に直接関係しないし関連もないところで成立することが多かったような気がする。
そこでChatGPTに質問した、最近のバーター事情はどうなってるのかを。
その答えは、ギブ&ギブを装ったギブの一方通行(つまり詐欺的)の傾向が強いというものだった。
例として以下の4つを挙げてくれた。
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1. SNS・インフルエンサー界隈の「ギブ・ギブ・ギブ詐欺」
- 「コラボしよう!」「お互いのフォロワー伸ばそう!」と言いながら、
実態は「お前のフォロワーだけが欲しい」ってやつ。 - 無名アカウントとのコラボ、相互紹介、RTバーターなど。
→ ギブするつもりで近づいたのに、ギブだけして帰る羽目に。
2. クリエイター・フリーランス界隈での“案件交換
- 「今度紹介するから、今回は安くやってよ」
- 「うちの案件もらってくれたら、あなたのサービスも使いますよ」
→ 結局「紹介」は来ず、「値下げだけ受け取られた」なんてこともよくある。
3. マッチングアプリ・婚活の“スペックバーター
- 「年収〇〇」「見た目〇〇」「趣味が合う」など、条件での見合い合戦
- 「私はこれだけ提供してるんだから、相手もこれくらい持ってきて当然」という心理
→ これも、損得のバーター感が色濃く出る場になりやすい。
4. 職場内での“お願い事”バーター
- 「この書類手伝ってくれたら、今度休憩多めにしていいよ」的な非公式バーター
- 責任や業務量のバーターが無言で発生してることも
→ 特に中小企業やスタートアップでありがち。
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詐欺やバーターの巧妙化の背景には、欲しいものや買いたいものは実はそんなに多くはないが、売りたいものはたくさんあるというアンバランスを世間が抱えているということでもあり、また持ってる裁量権の偽装や錯覚を一方通行で利用したがるというセコさがあるように感じる。
選挙における組織票というのが昔ながらのバーターだとすると、選挙における現代のバーターは『投票に行かない』ということかもしれない。
投票に行かない人は、自分が何を差し出したのかを理解せず、その結果政治からちっとも優遇してもらえない生き方を強いられるようになってることに気づかないままだ。
バーターですらないギブの一方通行の巧妙化は現在進行形なのだ。