信じる者は救われる。
元々はキリスト教の救済に関する言葉。
このフレーズの意味は現代では、
信+者=儲
と理解されることの方が多い。
その結果二種類の行動が増えた。
結果、①信じる者になろうとする人と②信じる者を集めようとする人の二種類。
圧倒的な多数派は①だが、①の人には②の意識もある。
では、信じるその対象は何かが重要になるのは言うまでも無い。
その対象はざっくりと言うと情報だ。
情報とは最終的には言葉であり、その言葉からどのようなイメージを持ったか、あるいはどんなイメージを持たせたか、によって影響力が生まれる。
イメージは物語として作用するから動機を作る。
儲かるかどうかはその先の話だし、儲かるが意味する真の意味もさまざまあり得るので、決してお金だけを意味するわけでは無いはずだが、現代ではほぼお金か承認欲求を求めてだろう。
ここで取り上げる情報は大きく二種類に分かれる。
一つは夢や希望に近づくための情報であり、もう一つは不安や心配を解消するあるいは遠ざけるための情報。
どちらであってもその情報を信じただけでは、生じるのは実は依存だ。
依存と言われたら誰だって良い気はしないだろうが。
ちなみにChatGPTに信じさせるために発信される情報(出版物を含めて)が使いたがるタイトルや見出しのテンプレートを聞いたら次のような例を挙げてくれた。
1. 煽り型(感情刺激・断定で思考停止させる)
- 「知らないとヤバい」
- 「絶対にやってはいけない◯選」
- 「◯◯しない人は損してる」
- 「99%の人が知らない」
- 「実はほとんどの人が間違っている」
- 「◯◯の真実が明かされた」
- 「まだ◯◯で消耗してるの?」
- 「これを知らないのは情弱だけ」
- 「○○の裏側、暴露します」
2. 共感・救済型(不安と孤独に寄り添う)
- 「◯◯でつらいあなたへ」
- 「◯◯できないのはあなたのせいじゃない」
- 「がんばらなくても大丈夫」
- 「私も◯◯で悩んでいました」
- 「ひとりで悩まないで」
- 「そのままのあなたでいい」
- 「みんな最初は◯◯だった」
3. 成功・変身型(希望・上昇欲求を刺激)
- 「たった1つの習慣で人生が変わる」
- 「年収1000万円の人がしている習慣」
- 「この考え方で一気に人生が好転した」
- 「◯◯を変えたら成功しはじめた」
- 「3ヶ月で結果が出た◯◯メソッド」
- 「私が無名からバズるようになった理由」
- 「凡人でもできた◯◯の秘密」
4. 知識欲・好奇心型(軽い謎や逆説で引きつける)
- 「実は◯◯って意味なかった?」
- 「◯◯のウラ事情、知ってますか?」
- 「あの有名人が毎日やってる習慣とは?」
- 「誰も教えてくれなかった◯◯の真実」
- 「意外と知られていない◯◯の豆知識」
- 「なぜ人は◯◯してしまうのか?」
- 「◯◯を食べると太るって本当?」
5. 数字・ランキング型(効率性・短時間志向を刺激)
- 「たった5分でできる◯◯」
- 「初心者におすすめの◯◯ランキングTOP10」
- 「最短で成果が出る◯◯のコツ7選」
- 「忙しい人ほどやっている◯◯習慣」
- 「今すぐできる◯つのこと」
- 「知らないと損する神アイテムBEST5」
6. 対立・二項型(敵と味方をつくる)
- 「◯◯する人としない人の違い」
- 「バカと天才の決定的な違い」
- 「意識高い系 vs 意識低い系」
- 「成功者が絶対にしない行動」
- 「デキる人は◯◯、デキない人は◯◯」
- 「あなたは◯◯タイプ?それとも◯◯?」
7. 自己肯定型(受容と特別感を提供)
- 「あなたはそのままで価値がある」
- 「変わらなくても大丈夫」
- 「才能がないからこそ成功できた」
- 「やる気が出ないのは正常です」
- 「何もしてないのに褒められた話」
8. 「中身ナシでも反応が取れる」ワードテンプレ
- 「意外な◯◯」
- 「◯◯しない理由がない」
- 「知らなきゃ損」
- 「◯◯の新常識」
- 「専門家も驚いた」
- 「まさかの結末」
- 「今すぐ試して」
- 「最新の研究では…」
- 「SNSで話題沸騰中」
- 「◯◯界が騒然!」
9. 映像・画像タイトルでよくある釣りワード
- 「【衝撃映像】◯◯が起きた瞬間…」
- 「このあと信じられない展開に…」
- 「◯◯をしたらまさかの反応が!」
- 「【閲覧注意】◯◯を見た結果…」
- 「【神回】◯◯で全員が感動…」
- 「TikTokでバズった◯◯の秘密」
10. 発信者側の狙いが読み取れる特徴
- 感情語(ヤバい/神/衝撃/感動)
- 数字(ランキング・5選・10のコツ)
- 二項対立(賢い人 vs バカ)
- あいまいな称賛(すごすぎる/意識高すぎる)
- 無根拠の“研究”や“医師がすすめる”肩書き
- 意図的な情報の欠落(続きを見たくさせる)
これらのワードや表現に心躍らせたり逆にうんざりした経験は誰にでもあるだろう、「それが本当なら知りたい」のは誰でもだからだ。
上記のテンプレートに具体的な名前や数字やジャンルなどが組み合わされて活用されるので興味を掻き立てられる人が後を絶たなくなる。
さて、ではどうすれば良いのか?
「信じたい」と「信じられる」は隣り合ってるのではなく、とてつもなく離れてると知ろう。
思考と感情がごちゃ混ぜになっているということを自覚し、今自分が反応してるのは思考の結果なのかそれとも感情的な反応なのかを区別することだ。
思考のような感情もあれば、感情のような思考もあるが、習慣化すれば区別は付くようになる。
この情報の発信者は一体何様だと思うくらいがちょうど良い。
わたしを儲けさせてくれる情報など無い、あるのはわたしから儲けようとする情報ばかり、そう思うくらいがちょうど良い。
そういう観点で発信者の意図を探るという思いで情報に接するのは下手な推理小説より遥かにおもしろい。