抽象の対義は個別具体。
個別具体的な多数のことから共通点を見出したりすることが抽象。
抽象と個別具体は常にセットで理解することが必要になる。
しかし、多くの日本人にとっては最初に接する『抽象』とは抽象画の抽象だ。
そのせいで、『抽象=訳のわからないもの』と認識する人が多い。
本来の、共通するものを見出したり、不要なものを除外するという高度さを理解しないまま『抽象』というワードを独りよがりに解釈して使うことが多くなるはず。
その結果、訳のわからないことが抽象的と呼ばれるようになり、『それって具体的にはどういうこと?』というコミュニケーションのミスマッチがあちこちで起きているはず、もちろんビジネスの最前線でもだ。
『言ってることが抽象的だから分からない』という場合は、当事者の双方または片方が『抽象リテラシー』が低いことで起きている。
どんなコミュニケーションを誰と取るかにもよるが『それって具体的にどういうこと?』が最終的なテーマになるような場合は、当事者の『抽象リテラシー』に根本的な問題があることがほとんどだ。
抽象リテラシーを持っている生き物は人間だけと言われる、つまり言語を高度に使いこなすこととセットの能力だが、ブラックな環境下で個別具体な指示や命令に従わせられるのが当然になると抽象リテラシーは薄らぐか消えるだろう、そんな能力は活かしようがないから。
『それって具体的にどういうこと?』が口癖の人は結構ヤバいに違いない。