一世を風靡したフジテレビの凋落が激しいが、私にとってフジテレビらしさを象徴するのがとんねるずだった。
しかし、とんねるずが流行る前に漫才ブームがあったなと思い出した、そこでもフジテレビは他局をリードしていた。
そんな漫才ブームはさまざまな人気芸人を輩出させたがその頂点に君臨してたのがビートたけしだった。
ビートたけしに魅せられた人々(多くは当時の若者)の間で広まった価値観に『バカは恥ずかしい』というのがある。
ここでいうバカとは勉強ができないという意味よりも、瞬時におもしろおかしく切り返すことができないという意味、もちろんそのために知識や勉強が武器になるので無関係ではないのだが。
瞬時におもしろおかしく切り返すとは、いわゆるツッコミでもある。
そのためには相手の話を瞬時に理解できることが必要であり、象徴的なワードの選定が必要になるし、それらを組み合わせたストーリーにまとめ上げる能力も必要になる。
そして、瞬時に相手の話を理解するということにはいくつかのバリエーションが成立することも知られるようになった、それが誤解や曲解や敢えての論点ずらしなど。
こういうのが寛いだ場で起きるだけなら何の問題もないが、真剣に議論するような場でも起きていたかもしれない、だとすると真剣に論じたいテーマは茶化されてしまったはずだ。
テーマを投じた人は『バカとは付き合えない』と思ったことだろう。
それでもインターネットやSNSが登場するまでは、弁えは機能していて表には出さずに心の中の本音にとどまっていたかもしれないが、最近10年〜15年の間で表舞台を席巻するようになった。
テレビのバラエティのMCなどは場をおもしろおかしく回すことが全てになっていたが、おもしろいことに世間の方が一足早くそれって全然おもしろくないと反応し始めた、やがておもしろくないを通り越して不愉快だし、一部は犯罪だろうと反応し始めた。
40年以上日本を覆っていた空気に変化の兆しが顕著になったように感じるが、その反応が最も遅いのが政治で特に選挙活動などを見てると賢い人に主張を訴えるよりも、バカを刺激する方が手っ取り早く票につながるという戦略や戦術を展開してる人がいて、それが意外に奏功してそうに見える。
緩やかにだが確実に、バカはやっぱりバカだと日本でも気付く人は増えてるが、もう一段階世間の空気が変わる必要がある、80年代とは正反対の意味で『バカは恥ずかしい』と。
来たる参院選の結果に何を感じるかは一つの判断材料になりそうだ。