違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

"アート・テイタム"で瞑想!

超絶技巧派のピアニストとして有名なアート・テイタム。

 

この名も、もはや音楽の歴史の中でしか語り継がれなくなりつつあるのかもしれない。

 

アート・テイタムが、どのように語り継がれているか検索すると、

 

テイタムのテクニックは、ジャズ・ピアノの可能性を著しく広げ、多くのミュージシャンに尊敬された。テイタムと同世代のファッツ・ウォーラーは、テイタムを「神」と呼び、カウント・ベイシーは「世界の8番目の不思議」と賞賛した。ヴァイオリン奏者のステファン・グラッペリは、テイタムの初期のレコードを聴いて、「2人のピアニストの連弾だと思った」と発言。テイタムからの影響をしばしば公言しているオスカー・ピーターソンは、幼い頃に初めてテイタムのレコードを聴いた時、ショックのあまりピアノに近寄れなくなったという。

ある晩たまたま、テイタムの出演するクラブにクラシックピアノの巨匠ウラディミール・ホロヴィッツがやってきた。テイタムの演奏テクニックに仰天した彼は、次の日指揮者アルトゥーロ・トスカニーニを連れてきて、トスカニーニもテイタムの演奏に肝を潰した。テイタムの出演していたむさくるしいナイトクラブにはテイタムの演奏を聴きに、ホロヴィッツやトスカニーニのほか、ヴァルター・ギーゼキング等もやってきた。

テイタムのクラブの厨房では、カンザスの田舎から出てきたばかりの若者が皿洗いをしていた。テイタムの演奏が始まると、彼は厨房の入り口に行き、じっと演奏を聴いていた。彼の名前は、チャーリー・パーカーという。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アート・テイタム

 

 

 

高名なバイオリニストの愛器がストラディバリウスのような名器であることは音楽界では当たり前だとされるが、テイタムの凄腕はピアノを選ばないことでも有名だったので、こんな話がある。

 

「昔、LAの店にテイタムを聴きに行ったら、アップライトがスタインウエイのフルコンのようなサウンドで鳴っていて、私は仰天した。数日後、どんなピアノだろうと思い、同じ店に行って、私自身が弾いてみたら、ボロボロでアクションも最低、おまけに数本鍵盤が欠け落ちていた。その次に同じ店でテイタムの弾いているのを聴くと、やっぱり調律仕立てのグランドにしか聴こえなくて、ないはずのキーの音がちゃーんと聴こえていた。」と言うのです。鬼気迫る表情で小声で語る迫力…ノリスさんは、どちらかというと普段はシャイな人で、ホラ話なんて絶対しない。ピアノの調律に非常にウルサイ巨匠が、こんなことを言うのです。

INTERLUDE by 寺井珠重 "ジャズクラブの片隅から..." アート・テイタム伝説

 

 

 

下記は、テイタムが死去した時のニューヨークタイムズの記事。

 

Art Tatum, Jazz Pianist, Dies; Noted for 

Brilliant Technique; Favorite of Musicians

Special to The New York Times

LOS ANGELES, Nov. 5--Art Tatum, one of the world's great jazz pianists, died at the Queen of Angels Hospital today. He had been suffering from uremia. He was 46 years old.

November 6, 1956, Wednesday 

世界八不思議 Art Tatum

 

 

検索するとその凄さを語る記事やブログがたくさん出てくるアート・テイタムは、1909年に生まれ1956年に47歳で亡くなった。

 

現代に生きる私たちにとって辛うじて有り難いのは、アート・テイタムの音源が鑑賞に耐えるレベルで残っているものが多いことだ。

 

私がアート・テイタムの名を知ったのは10年ほど前。

 

ピアノ曲に関してネットサーフィンしてる中で出てきた名前で、当時YouTubeを検索しても出て来なかった記憶がある。

 

なんとか音源を入手し聞いた曲は、拍子抜けするほど普通の曲に感じたが、目をつぶって聞いていると、笑いが止まらなくなった。

 

凄すぎる!

 

ピアノなんか弾けない私が、目をつぶって曲を聴いている時は、頭の中でデタラメに鍵盤を弾いているのだが、その指がテイタムの指の動きについていけないのだ。

 

超絶技巧派が演奏する曲には変な曲が多いが、テイタムの曲は普通の曲が多く、そこが味わい深さを深めてくれる。

 

ただピアノだけが尋常じゃないが、全然威圧的じゃないのが良い。

 

 

邪道かもしれないが、私はテイタムを聴きながら時々瞑想する。

 

聴いてると、自然に瞑想になるのだ。

 

そんなのは瞑想じゃないという意見が多いかもしれないが、目をつぶって聴くと不思議な世界観が得られる。

 

現在、YouTubeで検索するとたくさん出てくる。

 

 

両目が見えないテイタムは、楽譜を読んで勉強したわけではない。

 

好きで楽しんでいたら、とんでもない高みに登りつめた、そんな生き方だったのだろう。

 

テイタムを聴くときは是非目をつぶって、両目が見えなかったテイタムの世界観に想いを馳せて、若干瞑想気味に楽しんで欲しい。

 

 

私が好きな曲は、Gone With The Wind、超絶技巧の度合いが高いわけではないが一番好き。

 

www.youtube.com