「現代社会の問題点」というキーワードで、1年以内という期間指定で検索すると、
と出てきた。
内容を見るとほとんどが、現代社会の問題点として「貧困」「格差」「低賃金」が関係してると出て来る。
なるほど確かに、表面的にはそう見える。
先天的な要素を除けば、痛風や糖尿病は贅沢病と言われていた(過去形)。
金持ちが贅沢な食事をするから罹る病気だと思われていた時代には、多くの人にとっては栄養不足や低カロリーの方が問題だった。
翻って現代では、安く売られる高カロリー食が多いので、贅沢病と言われたものが、庶民の病気になってきた。
安いものは体に悪く、体に良いものはそれなりの対価が必要に見えるので、貧困問題や格差問題のようにも見えるが、実はグローバル化が招いた大量生産大量販売の弊害とも言える。
我々が直面してる問題は、表面的に捉えられてることと別のところに原因があるのかもしれない。
今の日本で起きてる問題の1つに少子化がある。
先進国に共通した課題だと言われてるので、あまり深く考えないが、その背後で日本だけに起きている現象がある、そもそもセックスをしないのだ。
決して性欲が無いわけではないことは、風俗やAVの世界が華やかな賑わいを見せてる様子から伺える。
これが、海外から見た「日本人がセックスしない理由」のようである。確かに、人間関係は面倒なことのほうが多いが、恋愛しない人の考え方はあまりに無機質で、冷たい印象を受けるのは筆者だけだろうか。
しかし、特筆すべきは、海外メディアでは「セックスしない日本人」を奇異としながらも、否定はしていないという点である。女性向け情報サイトの『The Frisky』では、日本の若者の傾向をこのように評価している。
日本人には、自己分析が難しいかもしれないが、海外の人には、”いろいろな理屈を付けて人間関係の煩わしさから逃げる日本人”と映るようだ。
そんな少子化が人口減少を招くようになった日本では、不思議な事に世帯数は増えてるらしい。
高度経済成長が、都市への人口集中を加速させ、核家族化や単身世帯の増加が招いた世帯数の増加は、エネルギッシュで勢いを感じさせたが、現在の世帯数の増加という話は枯れ葉が落ちてバラバラになってる寂しいイメージになる。
「人口減少傾向でも、世帯数は増加」がビジネスの鍵となる
2017.9.18
実は、日本は人口減少をしているものの、世帯数は増えています。厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」(2016年版)によると、2016年(平成28年)6月2日現在、世帯総数(熊本県を除く)は4994万5000世帯です。
かつてアメリカで大規模なウーマンリブという社会運動があった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウーマン・リブ
ウーマン・リブ(英語: Women's Liberation)とは、1960年代後半にアメリカ合衆国で起こり、その後世界的に広がった女性解放運動のことをいう。フェミニズム及びジェンダーの原点ともいわれ、19世紀後半から20世紀前半にかけて起こった女性の参政権運動を第一波フェミニズム、ウーマン・リブを第二波フェミニズムと呼ぶこともある。
日本では、「人間関係・リブ」が起きてるように見える。
こうなった理由は分かる気がする。
生きていくために煩わしい人間関係を許容しなければいけなかったムラ社会の構造は、その恩恵を受けてた人達にもストレスを与えただろうが、都市への人口流入と核家族化で弱まった。
そして、抑圧されたり、抑圧したり、あるいは束縛したり、されたりの人間関係のしがらみから開放し始めた。
こうして、日本人は新たな人間関係を作り上げる段階に入ったような気がするが、ムラ社会はまだ、日本の中枢部に残っている。
日本独自の閉塞感は、政治経済の中枢が旧来のムラ社会の人間関係で構成されてることに起因してるかもしれない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/村社会
また、以下のような問題点があり、外部とのトラブルの原因となっている。
- 所属する「村」の掟や価値観・しきたりが絶対であり、少数派や多様性の存在自体を認めない。
- "掟"に関与しない世間一般のルールやマナーは守らず、他者にも強要。無法状態と化している。
- 出る杭は打たれる。長い物には巻かれ、流れには棹を差すべし。寄らば大樹の陰。義理と人情。横並び。
- 排他主義に基く仲間意識が存在する。
- 自分逹が理解できない『他所者』の存在を許さない。
- 同郷者に対しては「自分達と同じで当たり前」という意識を抱いており、自我の存在を認めない。
- 傍目には異端者に寛容だが、相手を理解しているのではなく理解できるものに「改造」しようとしていたり、特例で見逃されているだけであったりする。
- 白か黒か、善か悪かといった二極論を好み、中立や曖昧な考えを嫌う。これが「異端者は自分たちを見下している/敵意を抱いている/自分より劣る存在である」といった思い込みを生み、一度こじれた場合の収拾がつかなくなってしまうことが多い。
- 弱いと規定したものに対しては、陰湿且つ徹底的に圧迫を加える。
- 構成員は陰口を好む。
- 有形物のみならず時間や空間に対する共有意識も強く、プライベートやプライバシーといった概念が無い。
- 事なかれ主義が多い。
- 噂話に対しては、真実かどうかを追求するより、噂を既成事実にしようとする。
- インテリが少数であることと年長者の影響力により、「神頼み」のような非常識がまかり通る。
日本で語られるリーダーシップは未だ、利益配分の取りまとめを上手にやることが求められるだけで、多くの人にとって良いことをすることではなさそうだ。
こうやって見ていくと、現代社会の問題点は、古臭いムラ社会に起因してるように感じられる。
「幾何と見せかけて実は関数のような引っ掛け問題であり少し見方を変えれば解ける問題なんです」
幾何の問題と見せかけて、関数の問題、つまり思い込みの盲点を突く。
それに気づいた時、湯川(福山雅治)は、石神(堤真一)が毎日見ているホームレスのことを思い出したという。
「彼らは時計のように正確に生きている。しかし、あの時の君の言葉を僕は取り違えていたようだ。君が言いたかったのは、ホームレスの彼らさえ、時計の歯車となる役割を背負ってる。違うか?」
「ずいぶん遠まわしな言い方をするんだな。君らしくない」
「もうおしまいだ。石神。」
「本当は最後まで証明できてないんじゃないか?はっきりと君の推理を言ったらどうだ。・・・なぜ言わない?」
「君が友達だからだよ」と湯川。
「僕には友達はいないよ」
二人は吹雪の中歩き続ける。
日本で起きる固有の問題やガラパゴス問題は、幾何の問題のように見えて、実は関数の問題のような、人間関係の問題なのかもしれない。