グローバル化で加速した、グローバル化が加速させたのが大量生産&大量消費。
生産される商品には一定の寿命があることと、新しい商品の方がスペックやデザインが向上するので大量生産&大量消費は繰り返される運命にある。
しかし、この繰り返されるサイクルには意識されにくい負の側面がある。
大量の廃棄物が出ること、またスペックやデザインが継続的に進化することで欲望の飽和のようなそれ以上を望む気持ちが薄らぐようになる。
それによって大量消費の一角が崩れ始める。
そうすると、一部の市場で評価が高い商品の単価の上昇が起きる。
評価が高いわけではない商品は単価の下落もしくは在庫の増加が起きる、これをどう捌くかが重要になる、捌けなければ新品にして廃棄の運命だ。
捌くためには騙す必要がある、騙すという表現以外だと錯覚させるが相応しいはず。
最近の世の風潮の根底には大量生産の行き詰まりがあるのだ。
大量生産を支えてきたグローバル化を初期の段階で支えたのは多くの労働者だったが、人から機械化自動化と主流が置き換わったことで大量生産のレベルが桁違いになったことと品質の差がなくなった。
大量生産の次のステージはどうなるのか?
大量生産のあり方が変わるのか、それとも大量生産の否定が導く次の何かの登場か?
3Dプリンターのように一定の条件下では一品物のオーダーメイドが簡単に作れるようになると、大量生産の一角はさらに崩れるようになりそうだ。
3Dプリンターに限定すると小さな世界に感じてピンとこないのでここはデジタルファブリケーション(総務省)と広く捉えたい。
(出典)総務省情報通政策研究所「ファブ社会の基盤設計に関する検討会報告書」(平成27年)
デジタルファブリケーションによるメリットは複数あるが、第一にはこれまでの製造技術では作製困難なものが作製できる点があげられる。加えて、個人レベルでの新しいものづくりが可能となり、これまでものをつくる行為に携わっていない人々のものづくりへの参画や、「Fab Lab(ファブラボ)」と呼ばれるデジタルファブリケーション機器が設置された施設を使うことで、組織に属さずとも高度な工作機器を使用した自由なものづくりが可能となり、新しいイノベーション、新しい経済、新しい働き方が生まれると期待されている。
幸か不幸か、人間は時代を逆行できない。
今が行き詰まっても、前に進むしかない。
デジタルファブリケーションは、壮大なことも可能だがそれ以上に個人レベルにとっても上手く利用できれば革命なのだ。
まだまだこれからの領域なので今からアンテナを張っておくと良いことがあるかもしれない。