コロナのせいで旅行関連業界がダメージを受けてることは多くの人が知っている。
旅客数が減った分を埋め合わせるために、飛行機や新幹線が一部の座席を取り払い、そのスペースを貨物輸送に充てているという話も聞く。
超高速輸送ができるので、それなりの付加価値は付くはずで、上手く行けば人なんか運ぶより効率が良いということもあるかもしれない。
このように、知らないうちにひっそりと輸送の世界では変化が起きているのだ。
そのような変化はモーダルシフトと呼ばれる。
コロナが促進した部分もあるが、一般に言うところのモーダルシフトは二酸化炭素の排出量を抑えるため。
多数の車やトラックが長距離を分散しながら走るより、その分を列車や船でまとめて運び、車やトラックは分散せざるを得ない駅や港やターミナルから現場へと出来るだけ短距離に抑えるというもの。
トラック業界ではすでに長距離運転は減少傾向が進み始めてるらしいが、モーダルシフトに加えてトラックドライバーの不足の問題も関係してるだろう
電気自動車に否定的だったトヨタがいきなりEV市場に本腰を入れ始めた背景には、ゆっくりとだが確実に動き出したモーダルシフトの波が無視できないと感じたからでもあるだろう。
車は旅行や長距離に使うものではなく、短距離移動や買い物などに使うものになり、運転そのものが嫌われるようになるのかもしれない。
日本の老舗の損害保険会社の旧名称がどれも『〇〇海上火災』だったのは、自動車が普及する前の損保の対象は船と建物だったからで、輸送は船が一手に担っていたのだ。
自動車が普及していく時の合言葉はモータリゼーションだった。
モータリゼーションによって自動車は特別なものからコモディティへシフトして行った。
しかし、そのことが新たな課題になってしまったのだ。
道路のキャパの問題以外に排出される二酸化炭素の総量を減らすという課題が突き付けられると俄然クローズアップされるのが船や鉄道になる、今そういうシフトが起きているようだ。
島国、日本の貿易を支えてるのは、99.8%が船で、国内物流もモーダルシフトで、船に変わってきてるのに、商船の認知度が低すぎません?船員と答えて、返ってくるのは、客船か漁船。それ以外の商船を知ってる方は、極わずかに感じます。日本付近のAISを見ただけでも、24時間沢山の船が動いていますよ! pic.twitter.com/anbyrXVvS1
— たんたんめん (@judo_tantanmen) 2022年3月8日
<JR貨物>ニュースリリース 樹木物流の「緑配便」夏にも本格運用 ~鉄道、船へのモーダルシフトで脱炭素化へ~ 3月9日14時発表 https://t.co/RBXmxw6gj7 pic.twitter.com/ppxKNUnmqQ
— 鉄道公式リリース by 鉄道コム (@tetsudo_release) 2022年3月9日
ガソリン価格の高騰や煽り運転が、モーダルシフトにさらなる拍車をかけるのかもしれない。