世間を騒がせてはないが、気になるニュースがある。
日野自動車の4エンジン、生産不可能に…不正な手段で国の「型式指定」を受ける 3/19(土)
販売しているトヨタ自動車といすゞ自動車の型式も取り消される見通し。
国交省の調査では、4機種のうち中型トラックのエンジンでは、長距離走行時の排出ガス性能試験で、試験途中に浄化装置を新品に差し替える不正が確認された。結果的に排ガス性能が保安基準外の可能性がある。
また大型トラックなどのエンジンでは、燃費を実際より良く見せるよう測定装置を操作したほか、小型バスのエンジンでも、燃費が良いデータが取れるまで不正に試験を繰り返していた。
良くも悪くも世界の潮流が感じられる。
思い出すのは対岸の火事のように感じていた出来事。
2015年〜2018年に掛けてドイツ車を中心とした欧州車の排ガス偽装や燃費偽装が続々と発覚し、その辺りをキッカケにして欧州が一気にEVシフトを打ち出した。
コスト的な合理性でいうとハイブリッドで時間稼ぎをするという選択肢もあるのだが、その選択をすると日本車には勝てなくなるという判断もあっただろう。
EVにはまだまだネガティブな面があり、その一つには寒い冬に災害が起きた場合、化石燃料エンジンでは暖を取ることが出来るがEVはそれが苦手だったりという車本来の機能とは違う事情もあったりする。
日本よりも冬の寒さが厳しい欧州で、そのような事情はどこまで勘案されたかは分からないが、EVへ舵を切ったのは舵を切らざるを得なかったからだろう。
舵を切らざるを得ない理由は、化石燃料エンジンの限界に達したからなのだ。
これ以上コストを掛けて研究開発する価値をメーカーが持てなくなっているのだ。
昨年末にEVに反対していたトヨタが一気にEVに舵を切ったのも、世界の潮流に逆らってもどうしようもないという諦めの表れだ。
ただEVの普及は、化石燃料車脳への地道な啓蒙という高いハードルとセットにならざるを得ないのも事実だ。
かつて船や鉄道が交通の中心だった時代から、車中心のモータリゼーションの時代にシフトし現在に至ってるが、最近では静かにモータリゼーションから船や鉄道へのモーダルシフトの気配も感じる。
いつの時代も新しい何かへのシフトが起きる時は、古い何かが壊れていくのだ。
壊れていく何かだけを見てると嘆かわしいかもしれないが、壊れるものは壊れる。
この流れは変えられない。
そういう目で今起きてることを見ると小さな変化に希望を感じられるかもしれない。