違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

自動車業界で起きてる変化はEVシフトだけではない

昔は車やバイクが大好きだったが、今や運転を楽しむという興味はすっかり無くなったが、中途半端に知識は積み重ねているので時々物申したくなることがある。

 

こんな話を聞いた(読んだ?)ことがある。

 

ドイツの首相がメルケルさんになって、ドイツを牽引する自動車産業をさらに強力にするためにはメーカーという枠を超えてドイツブランドとしてハイテクを駆使して共用共有の度合いを高めてワンチームになる必要があると言っていた、まだIoTという言葉が世間に全く認知されてない頃。

 

ちなみにメルケルさんが首相だったのは2005年から2021年まで。

 

 

その例として、外観はベンツでエンジンや足回りはBMWで内装はAudiでと言ったようなオーダーを受注可能にすること、というようなことが挙げられていた。

 

この話を可能にするためには各メーカーのデザインの大元の基準寸法が共通することが必要になる。

 

この話を知って以降わたしはドイツ車を見るたびに、外観からは見えないフレーム等の構造部がメーカーの枠を越えてサイズや構造やデザインの共通化が行われてるような気がしてしょうがなくなった。

 

そういう目で見ると、最近の新車はグリルやライト周りのデザイン以外はどれも似通っていることに気付く。

 

 

また、最近の世界的なEVシフトで自動車以外の業界から自動車業界に参入する企業としてソニーやAppleも噂されている。

 

これらの話は、技術的には可能でプロトタイプの作成まではとんとん拍子で行ったとしても、壁が立ち塞がるのは大量生産の事業化だ。

 

テスラですらここで躓くことがある。

 

 

たまたま今朝になって知ったのだが、それを成り立たせる仕組みは既にあったのだ。

 

鍵を握るのはオーストリアにあるマグナシュタイヤーという自動車メーカー。

 

サイトにはこのように書いてある。

 

f:id:chigau-mikata:20220202115828j:plain

自動車メーカーと言っても、自社ブランドの自動車は造らずに、他メーカーから委託を受けて製造するというスタイルで、委託するメーカーはスポーツカーなど少量しか生産しないモデルは自社の製造ラインを専用で設けるとコストが合わないからというのが委託理由だが、このような状況下でマグナシュタイヤー社が儲けを出せるためには、受託する車の生産に共通共用共有が成立してる必要があるのだ。

 

マグナシュタイヤーが受託してる車にはBMWのZ4とトヨタのスープラがある。

 

この2車種は、外観や内装やサスペンションは違うが、ボディとエンジンは共通という特徴がある。

 

 

 

 

EVメーカーとしてのテスラはこのような仕組みは使わずに完全に自社で製造してるがゆえに苦労してる面があるが、今後ソニーやAppleを含めて他業種から自動車に新規参入するハードルは意外と低くなっているのだ。

 

その昔、わたしが車やバイクに夢中だった頃は、良くも悪くもメーカーの個性がギラついていたので、メーカーのファンというのが多かったが、確実にそういう時代は終わりに近づいているとともに、昔の旧車と呼ばれる市場が高値で高騰してるのは、消えかけてるノスタルジーを追い求めてる人が支えていることが想像できる。

 

 

これから自動車メーカーの再編だって進むだろうが、中には第二第三のマグナシュタイヤーとして生き残りを図る自動車メーカーも現れるだろう。