違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

知らず知らずのうちに煽られる危機感

何かを売ろうと企画(画策)する時は、危機感を煽るというのがお約束だ。

 

薬を売る時に、具体的な病気や症状をアピールするのはわかりやすい。

 

スーパーのチラシなどで、商品と価格が明示されてるような場合、危機感が煽られているという認識はないが、「普通◯◯◯円の商品が☓☓円で売ってるなら買わなければ」と煽られたりしている。

 

いつの頃からか、通販ではおなじみになった「限定!」や「今だけ」や「お一人様◯個だけ」は、お得感を煽っているようだが、煽られてるのは「チャンスを逃すと手に入れられないかも」という危機感だ。

 

そんな危機感がキーワードになる売り買いの現場では、「高く売りたい」売手と「安く買いたい」買手が対立関係だと思われるが、売買が成立する場合は、実は両者の思惑の一致が問われる。

 

一方、一体のように見えて実は対立しているという関係性(属性)がある。

 

世にブラック企業ということばが広まったが、ブラック企業の多くは、ユーザー側から見るとブラックではなかったりする。

 

では、どこがブラックなのかというと、経営者と現場の労働者が対立するのだ。

 

問題がややこしくなるのは、マネージメントに当たる中間管理職が、経営の側を演じたり、労働者側に追いやられたりが起きるからだ。

 

そんなことを、ユニクロを事例に考えてみたい。

 

 

離婚で姓を変えバイトに潜入…ユニクロと闘うジャーナリストが語った巨大企業のブラック体質と柳井社長の洗脳 2017.10.29

 

ジャーナリストの横田さんがユニクロに興味を持った理由が下記だ。

 

——今回の『ユニクロ潜入一年』以前の2011年に、ユニクロのブラックぶりや柳井正社長の実像に迫った『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋)を出版しています。そもそもユニクロに焦点を当て取材しようと思ったきっかけはなんだったんでしょう。

 

横田 

『ユニクロ帝国』の取材をはじめた2009年当時、ユニクロは破竹の勢いで事業を拡大していました。今はずいぶんその勢いも衰えてきましたが、なぜ町の一介の洋服屋から、日本屈指のアパレル企業になったのか。なぜここまで成長し続け、業績がよいいのか、儲かるのか。そうした純粋な疑問でした。ユニクロを定点観測することで、日本の国際企業としての進化を知りたかった。私はかつて物流業界紙の編集長をやっていたこともあり、05年にはアマゾンへの潜入ルポ『アマゾン・ドット・コムの光と影』(情報センター出版局)を出した。その流れでユニクロという企業はどうなっているのか、というのを物流という視点で捉えたい。そんな時に文春から声がかかったんです。

 

 

ところで、ブラックはなぜブラックなのかをきちんと理解しないまま言葉が独り歩きしてるようにも感じるが、取り交わした約束が違うからブラックとして問題になるのだ。

 

約束や契約は、そこに至るまでは力関係が影響するが、一旦結ばれると約束や契約はお互いに対等なものとなる。

 

しかし、この対等性が反故にされる時はいつも宗教に似た臭いが漂いだす。

 

一方で、“ユニクロ教”にはまる人もいます。「休憩するのは怠け者」、「時給泥棒だ」という文化を植え付けると同時に、「ユニクロで働ける人はできる人だ」という優越感を巧妙にインプットもされる。そのための素敵なネーミング、マジックワードが用意されている。たとえば店長は“主役”ですし、他にも“知的労働者”とか“一人一人が主役だ”、“みんなに達成感を味わおう!”など標語を連発する。

 

経営者と労働者の関係が、教祖と信者の関係になると、信者の関心は、

 

柳井さんの好きな言葉に“少数精鋭”というのがあります。現場でも「自分たちは少数精鋭だ」と葉っぱをかけられ、「できる俺」みたいに洗脳され、マインドコントロールされる。

 

となる。

 

しかし、教祖の関心は信者にはないので、

 

急成長したのも儲かるのも、柳井さんが“人は使い捨て”という考えで、かつ “ケチ”だからというのが結論ですね。

 

となる。

 

ユニクロの場合、働く場としては問題を抱えているようだが、お客として買う商品は悪くないし、店の雰囲気も悪くないので、世間からは見えづらい問題となる。

 

世間から見えづらいブラックとしては、コンビニに代表される『本部 VS FC加盟店』という闘いがある。

 

FC本部と加盟店のありがちなトラブルと結末

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この構造は、家賃保証のサブリースシステムでアパート経営をすることに似ている。

 

「サブリースで大損した人」がハメられた手口 2017.08.06

住宅所有者の多くは経営や管理などをすべて管理会社に任せながら、契約期間中は決まった金額が家賃収入として入ってくる仕組みだ。所有者側の手間が省けるため魅力的に聞こえるが、悪質業者と契約し、最悪の場合、自宅を失うという例も出てきている。

 

FC加盟店もサブリースも、トラブルが起きる場合は、契約に用いられた文言の解釈の誤差から生じる。

 

この場合のキーワードは、「手っ取り早く」と誤解させ、「おんぶに抱っこ」でフォローするから安心ですと展開される。

 

これらのブラックトラブルは、本来「喧嘩両成敗」なのだが、実際には契約書の文言を作ってる側に有利に働く。

 

 

ブラック問題がトラブルを起こす場合、被害者側に”金銭問題”や”金銭に対する執着”が絡んでることがほとんどで、煽られてる危機感は「お金が必要」であったり、「地位や立場や待遇を失いたくない」で、これらは逃れようのないプレッシャーとなるから厄介だ。

 

昔こんな話を聞かされたことがある、新卒で入った会社の専務が言った言葉だ。

 

『結婚しない奴は信用できない、家を買わない奴は信用できない、そういう奴は嫌なことがあると簡単に逃げるからだ』と。

 

年功序列と終身雇用が前提だったから、まかり通った考えだろうが、こういう考えはまだ日本社会の中で生きていて、トラブルに遭遇する人は、逃げれない環境に自分を追い込んでいる。

 

かつて、自分で自分を逃げれない環境に追い込む人は、考え過ぎが原因だったが、現在では「考えなさ過ぎ」が原因になってるかもしれない。

 

 

現代人は、次のような言葉で知らず知らずのうちに洗脳され危機感を煽られている。

 

 

 

『やった後悔よりもやらなかった後悔のほうが大きい』

 

 

『宝くじは、買わなければ当たらない』

 

こういう言葉を、深く考えずに口にする人物には注意が必要だし、これらの言葉を迫ってくる人は要警戒だ!