検索されるということは、興味があるとともに、それが悩みや心配事でもあるということを示している。
タイトルの割に中身は真摯『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』 2018/3/4
グーグル検索は、他人に言えない悩みや疑問が露わになる場所でもある。
数々の事例を通して意識させられるのは、何が有効なデータになるかわからないことの興味深さである。
Facebookですら、大量のデータだけでなく、数百人規模の小さなアンケートを行って得たフィードバックを活かしているのだ。
データが示す結果は時に残酷ですらある。始めに挙げたような、良心的演説がかえってヘイト感情に火をつけてしまった話なども一つの例だろう。
検索することは、多くの人が正解を求め彷徨っている行動だと思っていたが、自分の主義主張の確認に使われることが多いということを上記の本では示している。
自分がたどり着けてない"正しい答え"を求める行動であるとともに、自分の答えが正解であるという確信や裏付けが欲しいのだ。
しかし、正解が不明の時代になった。
それは、悩みや問題が最初に発生するが、その悩みや問題に対しての"問い"の立て方を間違うことで、正解が違ってくるということを意味する。
悩みにもピンからキリまであるが、"飛行機が墜落したらどうしよう"的な悩みは、悩んでもしょうがないということがわかっているらしい。
しかも、4パーセントは「準備のしようがない」たぐいのものです。つまり神ならぬ人間の身では、この出来事のためにやれることはなにもナイんですよ。
しかし、現代人が悩むのは、答えがありそうなことや現に起きていることで悩んでいる。
難病で悩み苦しんでるのとは違い、カッコよく、カワイイを求めて"美容やダイエットや整形"で悩んだり、美食や運動不足が原因の病気で悩んでいたりが多かったりする。
あるいは、どの投資が一番儲かり、リスクが少ないかという悩みも、検索される大きなテーマだが、儲けを求めながら返済義務が発生する広い意味での借金に手を出して悩む人も多い。
悩んでる人の悩みを解決するというビジネスがある。
うまくいけばwin-winの関係となる。
しかし、実際は"その悩みを解決します"あるいは"その悩みの解決を手助けします"と看板を掲げた人は、直接解決するのではなく、間接的に役立ちそうなものを売るだけの人であることが多い。
こういうのを、『ツルハシビジネス』と呼ぶ。
歴史には数度、ゴールドラッシュと呼ばれる金鉱に採掘者が殺到した時期がある。
そんな金鉱の近くで一番儲けたのは、金を掘った人ではなく、採掘者にツルハシを売った人だと言われたのが、『ツルハシビジネス』の由来だ。
採掘者に必要だったのは、どこに金があるのかという情報だったのだが、それが分かるくらいなら、金鉱の所有者が自分で掘っていたはずだということになぜか気付かない。
この『ツルハシビジネス』は、詐欺ではないところがややこしい。
ツルハシを売ってる人々が賢いのは確かだが、ツルハシを買ってる人々が残念なのだ。
ツルハシビジネスの特徴は、悩みや問題点を解決しますということを売りにするために、『悩みや問題点』の命名と告知がセットになる。
病名を診断された瞬間に、その人は「病人」になる。鬱症状と低血糖症の関連性を知ることで、あなたの悩みは劇的に改善される!
述べたような症状がある場合低血糖症を知らないために、
あなたは心療内科・精神科の門を一旦叩くと、「鬱病」と、病名をつけられます。
そして「精神の病は治りにくいので一生飲み続けるように」と医師から言われるのです。
あなたは自分が「うつ病」であることを信じて疑いません。
なぜならお医者さまからそう言われたのですから。
結果、低血糖症の症状でうつ病と診断されたら生涯を投薬の毎日で過ごす可能性がとても高いのです。
ついつい検索することで答えを求めてしまうが、そんな行為が"患者になりたくないのに患者にさせられる"に見えてくる。
『問い』の立て方が重要になる。
『問い』は、答えを求めるためでなく、どう行動するのかのためにする方が良い。
USJ再生の森岡毅が語る「マーケティングの知識、経験、予算がない企業がすべきこと」 2018/2/7
(1)貴社は自分が戦っている市場を理解していますか?
(2)貴社の消費者を理解していますか?
(3)貴社の強みを理解していますか?
マーケティングにおいて大事なのは「本当に消費者が買っているものは何か?」を突き詰めることです。私は「what」と表現をしますが、消費者が買っている本質的な「what」を考えることが重要なのです。
そして、その「what」が見えてきたときに、これまでと違う結果を求めるならば、取るべきアプローチは2つしかありません。
・これまでと違うことをやるのか?
・これまでと同じことを、違う方法でやるのか?
端的に言えば、これだけです。
とても含蓄のあることばで、多くの人が「what」を突き詰めずに、検索で答えを求める行動を取っている姿が見えてくる。
テクノロジーの発展と出回る情報の膨大さに判斷を誤らせられている。
テクノロジーを理解し、最新の機器を使いこなすという小手先が過大評価したりされたりで、膨大な情報の取捨選択ができず振り回される、本当に大事なことの手前で多くの人が四苦八苦している。
しかし、上記のことばはなんだか懐かしさも感じさせる。
『孫子・謀攻』に「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける)」とあるのに基づく。
新しいことや未知のことは、これからいくらでも起きるだろうが、人と人のコミュニケーションに関する部分は、既に出尽くしているかもしれない。
コミュニケーションで悩みがある時は、諺を振り返ることも悪くないはずだ。