『英検が落選』と話題になった下記のニュース。
共通テストの英語民間試験、7種認定 公平性など課題多く :日本経済新聞
2018/3/26
大学入試センターは26日、2020年度に始まる大学入学共通テストで受験可能な英語の民間試験として、実用英語技能検定(英検)、TOEICなど7種類を認定した。
英検は「読む、聞く、書く」の3技能の合格者だけが「話す」試験を受けられる現行方式が認められず、全員が話す試験を受ける方式を新たに導入する。
当の英検を主催する公益財団法人日本英語検定協会は今回の決定を受けて自サイトで以下のように発表している。
大学入試英語成績提供システム」参加要件 確認結果を受けて 2018年03月26日
参加要件を満たしていると確認されなかった試験
英検(従来型)
理由:一次試験の合格者のみが二次試験を受験できる仕組みとなっており、一次試験不合格者は二次試験を受験できないことから、参加要件第4の3※を満たしていると確認することはできない。
私が興味を持ったのは、英検に下った判斷ではなく、大学受験に採用されるだけで7種類の検定があるのだが、申請されたのは9種類という数の多さ。
この他にも、英語に関する検定はあるのかもしれないが、そこに興味があるのではないので調べないが、興味を惹かれたのは、検定と銘打ったものは一体どの位あるのだろうかということだ。
ちなみに"おもしろ検定"で検索すると、
たくさんの検定が出てくる。
この中でチョット目に止まったのが"パパ検(通称)"。
経済産業省後援、東京都後援、兵庫県後援、と出て来る。
この検定は、検定料が無料。
この検定は、啓蒙活動が目的で且つ子育て中のパパたちの交流促進など、悩みを抱えて孤立させないためのもので商業色は感じられない。
英検の場合、設立は1963年で理念の中に"生涯学習の振興に寄与"と出てくる。
1992年に設立された漢字検定の理念の中にも、『我が国における生涯学習の振興を通じて日本文化の発展に寄与する』とある。
最近急速に馴染みが出てきた漢検も、英検と同じく公益財団法人で、公益財団法人と言えば相撲協会。
その理念を一部引用すると、
相撲文化の振興と国民の心身の向上に寄与することを目的としています。
国民の心身の向上に寄与してるか?、と疑問に感じるが、公益財団法人は"寄与"するのが好きだということが分かる。
wikipediaで見てみると、公益性の認定に寄与が求められるとある。
公益法人認定法は公益法人の公益目的事業の定義を、学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表23種の事業各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものとしている。
英検と漢検の共通のキーワードに"生涯学習"とあるのも少し気になる。
文部科学省のサイトで確認すると、日本における生涯学習とは、高度成長がキッカケで起きた社会の変化に対応し続けるためには、学校中心の教育感に囚われたり、学歴に囚われたりする生き方をしてはいけないと昭和41年に言っていることがわかる、想像してたことと違う事実が出て来る。
昭和46年には、国民はあらゆる年齢階層を通じて絶えず自己啓発を続ける必要があるということで、生涯教育という考え方を提示していた。
その後昭和60年台に入り、生涯教育という考え方が生涯学習へとシフトしていった。
世の中が学歴社会で受験戦争ということばが定着し始めた頃に、文部省(当時)は、それじゃあダメだと気付いていたようだが、その当時の子供はそんなことは知らずにいたと思うと、知らないことの恐ろしさを感じる。
そんな時代に育った子供が今社会のお荷物になっているのだ、学習と無縁の生き方を続け"老害"と呼ばれながら。
資格マニアの方やこだわりのある方のブログを読んでいると、検定が世の中で必要とされる理由として、日本人の悲哀を感じるが、肩書がほしい人が多く、肩書は多ければなお良いと考えている、趣味で好きでやっているだけだとただ遊んでいるように見られるが資格があると仕事をしてるようにみえる、ということが感じられる。
検定の別の大きな特色として、ユーザー囲い込み型の検定というのが増えていることだ。
特定の企業とタイアップで作られたり、特定の企業の思惑のみでつくった検定だ。
このタイプの検定は、理念のもとに生まれたのではなく商業的に販促として企画されている。
このような検定は、自分のこだわりのレベルがどの程度かを知りたいという好奇心が求めるような気がする。
検定について考えていると、宝くじとの共通点を感じる。
夢中になるのは検定受験者であり、宝くじ購入者だが、断然儲かるのは主催者側だ。
人が集まるところに詐欺師あり。
生涯学習で一生付きまとわれることもあるので、どうせ学習するならしっかり考えることもセットでやったほうが良いだろう。