違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

『炎上』のススメ!

すっかりイノベーションと無縁になった日本では、どの分野も純粋な意味での新しい顧客を見つけることができないので、客の奪い合いに活路を見出さざるを得なくなる。

 

そうすると、"ブランド"があるというか、持ってるというのか、良くも悪くも第一印象を持ってもらえることが有利になる。

 

だから、全くの新規よりもそれなりのネームバリューがあるブランドは強いと思われているが、最近はそうでもないらしいという話が増えている。

 

私には、縁もゆかりも全くないが名前は知っている"サマンサタバサ"が現在苦境にあるらしい。

 

人気ブランドが苦境に 「バッグのサマンサ」経営不振 社長が全スタッフと面談へ

 

このリンク先で見てほしいのは、寄せられたコメント。

 

特に女性から寄せられてる酷評の数々、これしか見なかったら私を含め誰もが「そりゃあ、売れねえわ!」と思うだろうが、SNSの仕掛け人の第一人者であるナカヤマン氏は、こう言っている。

 

 

ツイッターの後半の途切れてる部分は、次のように続いている。

 

その影響で御家芸の「セレブのアンバサダー起用プロモーション」が無効化しているのが原因と個人的には見ています。

 

実際、インフルエンサー時代に合わせて海外のスーパーインフルエンサーを5名起用したサマンサ ミレニアル スターズも、サラ・シュナイダー推しになっている所から当初の戦略からのブレが見られます。影響力ではなく見た目重視で露出が決まっているということでしょうから。

 

 

 

また、ナカヤマン氏は次の記事に対しても異議を唱えている。

 

売り上げに「直結しない」オウンドメディア、それでも取り組むべきワケ

 

 

 ※長瀬さんとは、コメントを寄せてる方

 

 

オウンドメディアが売上に直結しないと言ってる上記の記事の中で、

 

ズバリ「インハウス(内製)化」がポイントだと思っています。というのも、非連続的に生まれる自社の強みを収集し、世の中のニーズとマッチさせることが重要で、それは自社リソースでないと難しいからです。

 

と指摘がある。

 

これは、要になる主義主張に関することも多くの企業が外注で制作していることを示している。

 

この要の主義主張に関わることを受注してるのが、広告代理店であり有名コンサル達なのだ。

 

そんな動きに今変化が生まれていて、広告代理店や有名コンサルに加えてインフルエンサーと言われる人たちが登場し始めている。

 

インフルエンサーの多くは有名人だが、一般人では元は広告代理店や有名コンサルに所属していた人が多いという意味では偏った世界だといえるが、この偏りはリテラシーとして理解する価値があるような気がする。

 

主義主張というのは、少し前まで一方通行で発信されるだけだったが、現在では双方向性が出てきたので予想外のことが起きるようになった。

 

双方向性が出てくると、話題にならなければ反響ゼロと同じになるので、話題になることを目指す。

 

その流れが生んだ一つが"炎上"だが、そんな炎上をコントロールしようという動きも起きている。

 

十把一絡げに語られるネット上の"炎上"だが、3種類あるようだ。

 

 

「炎上狙い」って事が分かってなくて知ったかぶりするみなさんへ  2018/5/2

まず大きく分けると炎上は以下の3つに類別できます。

 

意図せぬ炎上をしてしまったケース

 

狙って炎上させてるケース

 

こいつは炎上狙いだ決めつけ → もの知らない

 

 

炎上というのは実名でやってない人はわかんないと思いますが、実際に炎上すると自分みたいな図太い奴でもイラッとします。

 

 

詳しくは、上記のサイトをじっくり読んでいただくのが良いが、炎上も双方向のコミュニケーションによって成立するということだ。

 

消費を喚起しようとする時、一般的には商品とターゲット顧客という視点で捉えようとするが、炎上を利用する場合は、ターゲットではない層の反発を利用してターゲット層の認知を促進するらしい。

 

上場企業のプロモーション活動が、思い付きやうっかりで展開されることはないだろう。

 

綿密に計算されているだろう、ただ計算ミスはあり得るだろうが。

 

最近炎上したキリンの午後の紅茶のプロモーションでは、メーカーとして謝罪がなされたが、謝罪は一応の成果を確認後に行われる予定調和のセレモニーということらしい。

 

 

 

NHKが炎上の事例を細かく追いかけてまとめたものがある。

 

その中で、炎上の背景を5つ上げている。

 

“ネット炎上“ 追跡500日|NHK NEWS WEB - NHKオンライン

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最近50年の日本は、あらゆる分野で隙間を埋める商品やサービスを展開し、質の向上を目指してきた。

 

一つ隙間を埋め質を向上させると、常に新たな課題が見つかり、その課題を解決するとまた隙間が塞がり、質が向上し、そうすると次の課題が見つかるという事の繰り返しを重ねてきた。

 

そうして、これ以上隙間も求めたり、質の向上を目指すことは、重箱の隅をつつくようなものになった。

 

もはや、隙間を塞いだり、質の向上は、少々メリットがあっても、ユーザーにとっては、コストを掛けるに値しなくなった。

 

要は、少々のメリットがあるという理由では客に相手にされないのだ。

 

隙間や質を求めるのは"理屈や理性"だ。

 

従来の方向性が行き詰まりを見せる場合は、方向性を少しズラすよりも180度変える方が活路が見出せることが多い。

 

従来の方向性である"理屈や理性"の反対とは何だろうか?

 

 

 

検索すると、ズバリは無いが似た意味合いとして、

 

・感性

・感情

・本能

 

そして上記に加えて哲学的なニュアンスを込めて

 

・本性

 

などが見つかる。

 

 

 

 

モノ余り時代の商品企画は「自分がほしい」で勝負する

昔は、世の中に「ないもの」を特定し、問題を解決すれば、モノが売れる時代だった。しかし、今はモノがあふれる時代。

 

 

「企画を立てる際には、まず自分のほしいものに注目しよう。新しいことや変わっていることよりも、自らほしいと思う物事をメモすべき」

 

自分が「ほしい」と思ったものは、自分に嘘さえつかなければ、100%信じられると考えています。というか、それしかよりどころがないと言ったほうが正確でしょうか…。

 

 

 

世の中で起きている多数の炎上劇は、"理屈や理性"の反対を模索する動きに見える。

 

しかし、悲しいことに"理屈や理性"の反対を求めながらも、そこにコンセプトなどと言う"理屈や理性"を当てはめようとしている。

 

人間にとって"理屈や理性"は、完全に拭い去ることができないとすれば、試行錯誤としての炎上はプロセスとして必要なのかもしれない。

 

だとすれば"理屈や理性"をフル活用して良い炎上を目指すしかない。

 

良い炎上とは、狙って起こす炎上になるだろう。

 

 

こうやって考えると炎上はチャレンジであることがよくわかる。

 

 

炎上は、狙うくらいがちょうど良いと言うことだろう。