競争時代の競争は、時として戦闘に例えられることがある。
戦闘に例えられると、戦争をお手本にして理論や理屈が展開されることがある。
中小企業のビジネス論として根強い人気を誇る「ランチェスター戦略」は、元を辿れば戦争の話なのだ。
ランチェスター戦略は、中小企業が如何に大企業と闘うかを伝えているのだが、大前提として持っている武器の種類も違えば兵士の数も違いすぎるということを踏まえての戦略論だ。
私がランチェスター戦略を知ったのはITが「.COMビジネス」などと言われていたミレニアムの頃で最近の事情は実はあまり知らない。
インターネットの普及やスマホをはじめとするデジタルデバイスを個人が身に付けた現在では闘いの場での武器が大きく変化したと言えるかもしれない。
今日は、武器が変化したことで、武装のあり方も変化したと言う話をしてみたい。
人間同士が対面でコミュニケーションをとる場合、瞬間的な第一印象が大きくモノを言うのは今も昔も同じで、そこでできる武装は、身だしなみを整え、清潔感を出すなどが精々だ。
それ以上は、会話を含めたトーク力が問われる。
トーク力を支えるのは、事前の情報収集と、会ったその場での臨機応変さだ。
この段階でのパフォーマンスに要求される基本は、今も昔も大きな違いは無いと感じてる。
昔は少なく現代で増えたのが、対面しないコミュニケーションで、対面しないまま取引や契約が締結されることすら珍しくなくなっているが、一般的には、対面しないコミュニケーションで一定の基準をクリアして、その後に対面を果たすという方が増えているだろう。
電話だったら声が武器になるが、声を武器にするためには、声質や口調やしゃべりのテンポなど、内容以外にもさまざまな武装をすることになる。
この場合の武装は、優しさや思いやりや気遣いと全く同じだ。
忘れてはいけないのは、相手も武装してると言うことだ。
優しさや思いやりや気遣いで武装することは、相手の武装を解除させるためにやっていて、それはあくまでも攻撃の一環なのだ。
では、対面非対面を問わず、どういうものが武器になるだろうか、また相手はどういう状況に対して武装を解除するだろうか?
最初に、相手の武装解除に失敗した事例を本人の独白という形で紹介。
次のツイートは、上司の指示に従えなかった時の想いだろう。
「人は正論じゃ動かない」「人は感情の生き物」とはよく言ったもので。仕事でめちゃくちゃ実感してる。こいつうぜえなあ……って思った瞬間、自分の中で優先順位下がるよね。どれだけ理論武装しても、人間力がないと他人は動かせないんだなあ。
— いっこー / 新卒リーマン (@ikkotweet) December 10, 2018
時として、親も上司のように見えるかもしれない。
実家にいたころは親にバカにされないために常に理論武装してて、いつも疲れていた感じするなぁ。
— がっきー 育児中 (@mokemokehitsuji) December 10, 2018
将来の目標も頭良さそうなこと言わないと認められないから哲学者になりたいって言ってたかも。
今思えば本当は声楽に興味があったのに…
一方で、施される武装には、形が無いものとしての“理論”や“理屈”それに“イデオロギー”まで様々なものがある。
著名人ならではの強い承認欲求と自己愛を見せつけられ、自分も影響され、それに似た振る舞いをし、当然のように疲れ、SNSから離れて、という一連の現象を繰り返した結果、著名人さえ超える承認欲求と自己愛で武装した、インフルエンサーなる化け物が、各SNSに生まれたのだなあと思った
— 芦田尚(編集者) (@naoashida) March 6, 2018
<激しく同意!>脱原発はアクセサリーでない!☆反原発命・廃炉☆@naminoritiger :「原発反対」を隠れミノに核武装を目指したり政治的駆け引きをする人達がわんさか。純粋に子供達を放射能から守りたい人は「脱原発」でなく《反核派》と名乗り、汚い人達から一線を画そう!
— 勇☆虎 (@akaginuma) May 19, 2012
現代の“武装”にはアクセサリー的な側面も垣間見えてくる。
そして、恋愛すら武装の様相を見せる。
恋愛をアイテムやアクセサリー化して、皆が持ってるのに私だけ持ってないの恥ずかしい、ママママ買ってええ、みんな持ってるからああ
— Casasagi (@Casasagi2107) November 27, 2018
な人は多い。
というか、それを行動にだした人か行動に出すのがめんどいので正論武装してる人が大半じゃないかと思う。https://t.co/iO6ByuHy2w
おそらく、この恋愛観と通じるであろうことがペットに対する想いだろう。
自分の都合で、ペットを振り回す飼い主達・・・。それを勝手な理論で、理論武装して、なんか言うと、猛反撃してくる人達多いよねえ・・・。とりあえずペット飼ったら一緒に行く以外で長期間旅行とか家開けるとか意味わからんが、「ちゃんとなついてる所に預けてるから平気!」とかいう身勝手理論…。
— BLACK_SANTA (@santa_001224) September 12, 2016
武装としての“アクセサリー”の話は女性の声が多いが、男性にもそっくり当てはまる思って間違いないだろう。
全面的ブスだから合コンなんかでは武装の意味を込めて「これを着ている私なら推せる!」という服を着たり、個を出すための拘りのアクセサリー等を身に付けたりするんだけど、当たり前で美人が着るユニクロには敵わないし美人が身に付ける3coinsコットンパールピアスにも敵わない
— 粥 (@okayu_with_you) November 14, 2018
おしゃれしたときって不覚にも自分が可愛く見えてしまう。
— hina (@candyy_135) April 16, 2018
綺麗に髪をセットしてふんわりナチュラルメイクしてアクセサリー付けてキラキラしたネイルしてフレグランスひと吹きしてニコって笑ったらもう私最強じゃんってなる。
かわいいの武装は大切。
最近、仕事で失敗したり落ち込むことが続いていて、気分を変えるか…と思って心の赴くままに支度してみたら服装がいつもより派手で化粧も濃く、つけないアクセサリーをつけてる自分が出来上がっていた。それでなんだか少し安心した。
— タラコッティ (@WwZgrnkqjGpBppU) October 19, 2018
女性のファッションは心の武装なんだなぁ
今日は腕時計を含むすべてのアクセサリーをつけ忘れてでているので非常に心細い。あれやっぱり武装なんだよね。
— 寺本真美 (@mamiteramoto) March 9, 2011
しかし、武装って疲れるのだ。
「ボディアーマーは高い防護力を提供するが、兵士のパフォーマンスが犠牲となっている。過大な負荷は移動力の低下、疲労の増大だけでなく、状況認識力や射撃レスポンスの低下を招くことは経験的に証明されている」アメリカ陸軍兵士の装備にする報告書を要訳してみますhttps://t.co/uEtOgq547d
— たぶん大佐 (@Col_AYABE) September 29, 2018
昔の『華麗なる一族』見てたら、フルメイク+着物フル装備+一糸乱れぬ日本髪、あるいはフルメイク+ドレス+アクセサリー+完全無欠のふんわりヘアーで年越しそば食ってる女性集団が出てきた。あんな完全武装でそば食わなきゃいけないなんて、金持ちって大変だな!
— オレ様 (@p_suzuking) August 5, 2010
武装と武装解除を繰り返すと、両者の違いが見えてくる。
08魚座。派手な化粧を落として、もう一度素顔から始めるような日。武装解除。優しい微笑みを取り戻すような。
— 望月潮 (@sioblu) December 7, 2018
化粧はめんどくさいんだけど、私個人的には化粧はある意味武装でもあると思ってて、体感的にきちんと化粧して身嗜み整えておいた方が嫌な人を寄せ付けず良い人を引き寄せやすく、正直生きやすいので益々武装解除しづらいのが困りどころ
— ワルツ (@warutuuuuuuu) November 7, 2017
武装の是非を考えていると、「馬鹿と鋏は使いよう」を思い出す。
競争社会の現代では、知らず知らずのうちに私たちは思った以上に武装してるはずだ。
もっと身軽になるのも悪くないはずだ!
「武装解除してください」 地位という 社会武装 化粧という 美的武装 説明という 知的武装 不安という 同情武装 奉仕という 偽善武装 防衛という 戦闘武装 今すぐ 武装解除してください。 本物で 本心で歩んでください 始めだけですから。ぎこちないのは。
— 【6.10】ハトチュー神戸2012 (@hatochu) May 30, 2010