頑張ることは美徳とされるが、世の中を広く見渡すと成果を出したり報われる人は頑張ってる人とは言えないことに気付く。
もちろん、成果を出したり報われる人が頑張ってないなんて言ってるわけではない。
世の中には、頑張ることよりも大事なことがあるはずだと思えるので、まずは頑張るとはどういうことかを考えてみたい。
頑張るとは、目標を定めてそこに向かって少しずつ着実に継続的に行動を積み重ねることと言えるだろう。
昨日も似たことを書いたが、こういう場合筋トレを例にすると分かりやすい。
そこで、筋トレやスポーツを頑張ることで裏目に出る事例をネット上で拾ってみた。
ハマりすぎてまさかの破局!?筋トレ好きな彼氏や夫がいる女性に聞く不満
- 最も多い不満は筋肉自慢
- とにかくお金がかかる
- 必要以上にアドバイスしてくる
- 筋トレのことしか考えてない
- 意味不明な言動
このサイトでは筋トレ男子に対する違和感が書いてあるが、Twitter上では筋トレ女子に関して#筋トレ女子あるあるもあり、筋トレに夢中な場合男女の差はなさそうだ。
上記は、頑張ることや夢中になることが、ライフスタイルに影響を及ぼすという話で、悪いことというよりも、価値観が共有できてない人との間にすれ違いが生まれやすいという話。
それに対して以下は、良かれと思ってやってることが直接裏目に作用する例。
スポーツ前のストレッチというと下半身の筋肉中心なことが多いが、胸郭周りの筋肉はとても大事。
— 水野純一@エバーウォークフィット (@Mizuno_Junichi) 2017年12月24日
胸郭周辺筋硬くなる
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呼吸が浅くなる
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呼吸の時に余計な筋肉を使ってしまいスタミナ切れが早くなる
呼吸補助筋を働かせすぎるとデメリットが多い。
肩凝りも同じ原理です。
オーバーユース症の1つで、繰り返しのランニングやジャンプを過度に行った場合に発症しやすい障害です。過度の運動量、運動時間、運動内容、日数またはフォームの変更、硬い路面、薄く硬いシューズ(踵の摩耗)、下肢の形態異常(O脚、回内足、扁平足など)、下腿三頭筋の柔軟性低下、股・膝・足関節の柔軟性低下、足関節可動制限などが発生の誘因となります。このうち、特にクラブに入部したての部員などにみられる急激な運動量増加が一番悪い影響を及ぼします。思い当たる点がある人はすぐに改善しましょうね!
〜〜引用ここまで〜〜
頑張ることが悪いのではなく、何のために頑張るかをきちんと意識し理解してないことが悪いと分かる。
翻って日常生活の頑張りに目を向けると分かりやすい。
勉強やビジネスでの頑張りには、やってる本人はまじめにやっていても、実際にはポーズに過ぎない行動が多い。
やってる本人は、いい加減なことをやってるわけでもなければ、手を抜いているわけでもなくても、成果にはつながらず頑張りが報われないことが多いのは、頑張る動機や理由が間違っているからだ。
間違った頑張りの前に、間違った選択をしてることもある。
その結果、間違った方向に歩を向けるのだ。
そういう意味では良い指導者と出会えることは運が良いと言えるだろうが、その指導を受け入れるかどうかは結局本人の問題になる。
家を選ぶ場合に、近隣の人間関係を気に掛ける人は多いだろう。
しかし、頭で考えると周りに住む人は選べないと思いがちだ。
そんな時は、生活環境や家族環境が似た人が多い環境を最低でも選ぶ必要がある。
最低でもと書いたのは、最後は周りに誰がいるかに尽きるので、そこは難しいから。
事情通は、一棟のマンションの中に、1LDK、2LDK、3LDKなど、様々な間取りの住戸が混在するマンションはトラブルが生じやすい、と知っている。
1LDKに住む人と3LDKに住む人とでは、生活習慣、家族構成だけでなく、マンションの運営についての考え方も全く違う。
トラブルは悪人が起こすというよりも、価値観の違いやズレから起こることが多い。
価値観の違いやズレを頑張りや努力で補おうとすることは非常に疲れる割には報われないだろう。
考え方や価値観が違うであろうことの予測は付けられるのだが、その予測を自然と判断できるセンスの持ち主と、予測できない人では一事が万事でどんどん差がつくだろう。
この差は、頑張りの差でついた差ではない、運の良さの差ですらないかもしれない。
昨夜発表された東京オリンピックの一年延期。
噂はありながらも予定通りの開催にこだわる姿勢の強さに、延期派はどのように仕掛けたのだろうか?
次の記事は非常におもしろい。
「五輪延期すべき」論の“火付け役” 山口香JOC理事が「密室」の外で声をあげた理由
日本ではオリンピックに関係する人たちは、誰もが口先ではアスリートファーストを唱えるが、実際には政治ファーストであり、権力バンザイで進められる。
日本の政治は密室で行われると相場が決まっているので、オリンピック延期派は議論がオープンな場に持ち出されるように動いたのだ。
上記の記事には、オリンピック延期に関して声を上げた関係者として四名の名が上げられてる。
〜〜以下引用〜〜
山下氏といえばJOC 理事会を報道陣へ非公開にすると決めたという話題も去年あった。
すると山下JOC会長の提案に対し、採決で反対したのは「4人」。その名前は、
・小谷実可子(シンクロナイズドスイミング88年ソウル五輪銅メダリスト)
・高橋尚子(マラソン00年シドニー五輪金メダリスト)
・山口香(柔道84年世界選手権金メダリスト)
・山崎浩子(新体操ロサンゼルス五輪代表)
《いずれも女性。普段の公開の理事会でも積極的に発言する顔ぶれだった。》(毎日新聞2019年8月26日)
〜〜引用ここまで〜〜
頑張るというと、闇雲に突っ走ることだと思ったり、根性論に置き換えることはいまだに日本の各種の現場でまかり通っているが、きちんとした戦略や戦術が必要になると、そろそろ全員が気付く必要がある。
差がつくのは、頑張りが足りないからではなく、戦略や戦術の差で、あるいは戦略や戦術そのものがないことから起きているのだと気付く必要がある。
そして、もっと大事なことは、最初から最後まで自分一人で完結できること以外の場合は、一緒に行動する人と戦略や戦術を共有できていることだ。
つまり、誰と関係するのかが非常に大事になるのだ。
そういう意味ではまだまだ、付き合ってはいけない人と付き合ってる人がたくさんいるのが今の日本。